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POSTED BY ライター/パティシエ/ときどき通訳 sweetsholic 掲載日: MAY 24TH, 2020.

【スローなニュース】食事に5時間半!?無形文化遺産「フランス人の美食術」

現代社会は、何事にもスピードと効率を求められます。無駄を排除し、必要最小限のコストと努力で速やかに成果を出さなくてはいけません。けれど、無駄にはきっと、種類がありますよね。本当に省いていった方がいい無駄と、省いてしまうと心が痩せ細ってしまう無駄があるとイエモネは考えています。そんな愛すべき無駄にじっくりゆっくり向き合いたいと考え、イエモネは「スローなニュース」をピックアップしていこうと決めました。
今回は、数時間かけて楽しむ(!?)フランスの週末の食事についてのお話です。

人生を豊かにする「食」の楽しみ

芳醇なワインに宝石のようなショコラ。みなさんもご存知のように、フランスは美食の宝庫です。

普段の日の食事は品数も少なめでサクッと済ませる人も少なくありませんが、冠婚葬祭などのイベント時や家族が集まる週末にはご馳走を用意して、時間をかけて食事を楽しむ習慣が根付いています。食事を通して、家族や友人、職場の仲間など親しい人と交流を図るのです。

この習慣は「Gastronomic meal of the French(フランス人の美食術)」として、ユネスコ無形文化遺産に登録されているぐらい、フランス人が大切にしているものです。

どうしてそんなに長い!? フランス人の週末の食事

続いて、そんなハレの日の食事の流れをご紹介しましょう! 

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フランス人の義母・義父を招いた週末の食事風景(アペリティフと前菜)。この日の食事時間は、なんと5時間半!
(C)sweetsholic
  • 1.お酒とおつまみを楽しむアペリティフ
  • 2.前菜
  • 3.メイン料理
  • 4.チーズの盛り合わせ
  • 5.デザート
  • 6.食後酒のディジェスティフ

この流れで、短くて3時間、長いときには5時間ぐらいかけて食事をします。家族が集まるとき、誰かを家に招待したときなど、時間に余裕がある週末の食事はこのようなイメージです。

用意した料理やお酒の話で会話が弾み、そしてまたフランス人は総じておしゃべりが好きだから・・・というのが、食事時間の長さの理由だと思います。

料理上手でなくても大丈夫!

趣向を凝らした手作りのご馳走は喜ばれるものの、誰もが料理上手とは限りませんよね。これはもちろん、フランス人だって同じです。それに料理上手でも、全て手作りするのは大変・・・!

そんなわけで、アペリティフのおつまみには冷凍食品を取り入れたり、メインの料理は肉屋あるいはお惣菜屋さんでテイクアウトしてきたり、デザートはパティスリーで買い求めたりすることで、ストレスを感じることなく週末の食事を楽しみむことができるんです。

おうちでマネするなら?

日本のご家庭でマネするとしたら、「マグロのカルパッチョ、炊飯器で作るパエリア、シーザーサラダ(※チーズの調達が難しいときは、チーズの盛り合わせの代わりになる1品で!)」といった具合に、2の前菜、 3のメイン料理、4のチーズの盛り合わせは全て一緒にテーブルに並べたら、ラクなのではないかと思います。

ホムパの代わりに、あるいはゆったり過ごせる週末に、マネしてみてもいいかも〜。

[Photos by Shutterstock.com] 

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sweetsholic/ライター/パティシエ/ときどき通訳

海外を放浪しながら気ままな人生を謳歌しているフリーライター、パティシエ。現在の居住地は南フランス。海外のライフスタイルや、各国で学んだお料理などをみなさまと共有できればと思っています。 世界の文化とスイーツ、地中海料理、マレーシアが大好き。

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