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中山秀明

POSTED BY ライター/編集/フードアナリスト 中山秀明 掲載日: APR 28TH, 2023.

【食のプロがコンビニのカヌレ食べ比べ】個人的なおすすめはあのスーパー

近年人気が続いているカヌレ。コンビニが商品化したり、専門店も登場したりしていますが、それぞれどんな特徴があるのでしょうか。今回は有名店を中心にスペック紹介と食べ比べで各社の違いをチェックします。

コンビニからはファミリーマート、ローソン、セブン-イレブン(ヤマザキ)を。加えてオーケーストアと、専門店「KURAMAE CANNELE (クラマエカヌレ)」のカヌレを食べ比べます
コンビニからはファミリーマート、ローソン、セブン-イレブン(ヤマザキ)を。加えてオーケーストアと、専門店「KURAMAE CANNELE (クラマエカヌレ)」のカヌレを食べ比べます

【ファミマ】2種ありどちらも大人な香りが特徴

ファミリーマートは、通常の「カヌレ」のほか「生カヌレケーキ」というオリジナルのスイーツも出しており、それぞれ紹介します。

前者は、牛乳、小麦粉、卵によるシンプルな味が特徴。後者はカヌレ生地をドーナツ型に焼き上げ、中心に北海道産生クリームをブレンドしたホイップクリームを入れるという意欲作です。意外?にも通常の「カヌレ」のほうが高価格という点も見逃せません。

カヌレ。税込238円(60g/包装込み。以下同、119kcal、炭水化物19.9、株式会社コダマが製造)
生カヌレケーキ。税込158円(68g、236kcal、炭水化物34.1、山崎製パンが製造)

食べてみると、どちらもラム的な洋酒の香りが大人な印象に。「カヌレ」のほうはより甘みが豊かで、カヌレ特有の食感はカリカリよりしっとりもちもち感が主張します。

一方の「生カヌレケーキ」は口どけ優しい生地にふんわりホイップがナイスアクセント。甘さはほどほどで、フルーティーなニュアンスも感じました。

カヌレ
税込238円
https://www.family.co.jp/goods/dessert/1951462.html

生カヌレケーキ
税込158円
https://www.family.co.jp/goods/dessert/1940084.html

【ローソン】生クリーム好きにおすすめなボリューム感

「濃密カヌレ」の名で販売するローソンは流石のヒットを飛ばしており、今春「濃密カヌレ」と「濃厚生チーズケーキ」で累計販売1,700万個を突破。大ヒット御礼記念商品として、4月には「プレミアム濃密カヌレ(ショコラ&ピスタチオ)」も発売されました。

濃密カヌレ。税込160円(55g、161kcal、炭水化物29.6g/糖質29.2g、山崎製パンが製造)

では、「濃密カヌレ」の味はどうなのか。ラム酒の香りと共に、バターとキャラメルの風味もしっかりしており、香ばしさがおいしいです。コーティングが厚めで、表面は滑らかでいて中はもっちり。甘香ばしくリッチなおいしさに仕上げられています。

濃密カヌレ
税込160円
https://www.lawson.co.jp/recommend/original/detail/1458389_1996.html

【セブン-イレブン】チョコ味が個性的

セブン-イレブンには「生食感ショコラカヌレ」があるのですが、時季的な関係か筆者はゲットできず。ただ、ヤマザキ(山崎製パン)の「ショコラカヌレ」を売っているセブン-イレブンはあったので、こちらを紹介します。

ショコラカヌレ。税込174円(58g、228kcal、炭水化物33.0g、山崎製パンが製造)

味わいはチョコレートとカヌレ、両方のいいとこどりまではいかず、各特徴を足して2で割った感じです。

甘さは控えめな分チョコレートのコクはしっかりで、それがどこかガトーショコラのようなテイストを醸し出しているからかも。カヌレのメイラード的な香ばしさやキャラメルテイストは弱めで、とはいえチョコ感のある個性派カヌレだと感じました。

ショコラカヌレ
税込174円
https://www.yamazakipan.co.jp/

【OK<オーケー>】独自のヤマザキはさすがに良コスパ

首都圏を中心に展開し、絶大なる人気を誇るスーパーマーケット、オーケーストア。同店はメーカーと共同でオーケーオリジナル品を数多く展開していますが、カヌレもありました。それが2個入りの「カヌレ」。

カヌレ。税込214.92円(2個75g、260kcal、炭水化物32.0g、山崎製パンが製造)

ふわっと軽めで、その分カリッとした食感は控えめ。外側はどこか、フレンチクルーラーのようにも思えました。とはいえ中はもっちりしていてしっとり感も強めです。底部にはキャラメルのような香ばしい甘みもあり、なかなかおいしいですね。

重さはないのですがサイズと満足度は十分にあり、これで2個というのはさすが。OKらしいナイスなコストパフォーマンスです。重厚感が弱いので本格カヌレというにはやや遠いですが、個人的には大アリ。

カヌレ
税込214.92円
https://ok-corporation.jp/

【クラマエ カヌレ】本格食感と上品な味でワンランク上

ラストは専門店「KURAMAE CANNELE (クラマエ カヌレ)」の名物を。

同店は有楽町や品川でポップアップショップを展開し、そのおいしさと話題性で1日に2,000個以上を販売した行列店「GINZA Corridor Cannle(ギンザコリドーカヌレ)」の姉妹ブランドとして、2023年1月27日に蔵前でグランドオープン。数種のカヌレを販売する中の、名物が「クラマエ カヌレ」です。

クラマエ カヌレ。税込290円(2個目から280円/個、38g/包装含まず)

うん。流石に工場での大量生産品ではなく、パティシエが焼き上げた専門店のカヌレはワンランク上のおいしさ。カリカリ食感が抜群で、その分もちもち、とろとろのメリハリもしっかり楽しめます。なお、時間が経っても本格食感はバッチリ。

味わいは、発酵バターとバニラのリッチなミルキー風味が豊かで、口どけは滑らか。お酒がきわめて控えなのはあえてでしょう。優しい甘さと上品な味わいが際立つおいしさに仕上げられています。

クラマエ カヌレ
税込290円
https://www.kuramae-cannele.jp/

食感も味も、各社の独自色が出ていることがわかった本稿のカヌレ食べ比べ。読者の皆さんも、ぜひトライしてみてください。

※各店で購入。商品名、価格、仕様、品揃え等は変更される場合があります。
[All Photos by Hideaki Nakayama]

中山秀明

Hideaki Nakayama/ライター/編集/フードアナリスト

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とウェブメディアを中心に編集と撮影を伴う取材執筆を行うほか、TV番組や大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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