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POSTED BY ライター kurisencho 掲載日: AUG 17TH, 2025.

【フォロワー36万超え!話題のご法度レシピ】料理研究家のmisaさんにおすすめ簡単スイーツTOP3をインタビュー!

誰でも1度は挑戦したことがあるお菓子作り。今回は、料理研究家で保育士でもあるmisaさんにインタビュー。目から鱗のご法度な技を紹介した簡単で華やかなレシピ本が話題ですが、その裏では失敗も楽しみながら納得するまで試行錯誤を繰り返す努力家さん。そのアイデアはどこから湧いてくるのか、そして、おうち時間におすすめの簡単スイーツTOP3について教えてもらいました。

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー

フォロワー36万人超え!料理研究家・保育士のmisaさん

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー2

Instagramのフォロワー数は36万を超え、勢いのある料理研究家のmisaさん。長野県在住の彼女が普通の料理研究家と違うのは、現在も保育士として現場に立っているということ。保育の現場で遊ぶ子どもたちの様子から作り方のヒントを得て、簡単で華やかで、しかもおいしいレシピを考案しています。

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー(書籍)

自身初の著書『食べた人全員に「作り方教えて!」と聞かれるとっておきrecipe』(2023年3月発売)がヒットし、第2弾『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(2024年12月発売)は重版も決定し、2025年度「第12回料理レシピ本大賞(お菓子部門)」にもノミネートされています。

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー(苺のリースケーキ)画像提供:株式会社KADOKAWA

画像提供:株式会社KADOKAWA

彼女のレシピ本について、とある料理人の方が「簡単だけど簡単に見えないところが新鮮、切り口が新しい」と高く評価し、Instagramのフォロワーは当初30代中心の大人が多かったところ、最近では中高生にも人気が拡大中。著書は学校図書として導入され、「手作りを大切な人に贈りたい」と想う若者たちにも魅力的に映っているようです。

プロフィール欄に「将来レシピ本を出したい」と書いたことがきっかけ

ーご法度レシピ本を発行するきっかけについて教えてください。

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー3

misa:元々、Instagramで家づくりについて発信していたのですが、家で作った料理を投稿したときに「レシピを教えてほしい」という反響が多くあり、その後は料理を発信するアカウントに移行しました。

私の作ったレシピは、簡単だけど見た目が華やかなものが多いことが特徴です。友達からおいしいと褒められて、その味や喜びをフォロワーさんにもシェアしたくて始めたのがきっかけです。

とにかく「おいしいものを食べたい、届けたい」というシンプルな気持ちを大事にして、ハードルが高いと思われているお菓子作りの楽しさを知ってほしいですね。

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー(料理中のmisaさん)画像提供:株式会社KADOKAWA

画像提供:株式会社KADOKAWA

misa:その時「自分のレシピ本を出せたら嬉しいな」ということを1つの目標にして、プロフィール欄に「将来レシピ本を出したい」と書きました。それを、今の担当編集の方が見つけてくれて、投稿し始めて9〜10投稿目あたりでレシピ本を出版するという夢が叶いました。

当時バズったのが「アールグレイクリーム」と「チーズテリーヌ」のレシピ。今では「チーズテリーヌ」は浸透していますが、当時はチーズテリーヌのレシピがなくて、投稿した時にフォロワー数が7万人ぐらい増えたんです!

ヒントは保育の現場から

ーご法度レシピのアイデアはどこから湧いてきますか?

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー4

misa:保育士をしているので、子どもたちからアイデアをもらうことが多いです。例えば、保育園で人気の「泡あそび」。固形石鹸を削って粉にして、ボウルの中で水と合わせて小さいホイッパーでかき混ぜてふわふわの泡にして、ホイップクリームのように絞って砂のケーキにデコレーションして遊ぶんです。

そのときに「これって、口金や絞り袋がなくてもケーキのデコレーションはできるのでは……?」とヒントを得ました。そんなふうに保育の現場は自由な発想と遊び心でいっぱい。子どもの感性に勝るものはなくて、アイデアの宝庫でレシピ開発の原動力になっています。

ご法度テク・オリジナルの技

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー(画像提供:株式会社KADOKAWA)

画像提供:株式会社KADOKAWA

〈misaさんのご法度テクニック〉

  • 特別な調理道具ではなく、スプーンやテーブルナイフなど「家にある道具」を使う。
  • 粉類はほぼふるわない(本書の「ザッハトルテ」のみポリ袋に粉を入れてふるう)。
  • 焼きすぎ・混ぜすぎもOK(生クリーム以外)。
  • ケーキやタルトの型は、手に入りやすくて食べきりサイズの型(15cm〜21cm)を使う。
  • バターやチョコレートは電子レンジで溶かしてOK。
  • 材料はすべて一緒に「ミキサー・ハンドミキサー」で一気に混ぜる。
  • パンは「発酵・ホームベーカリー・オーブン」は使わない。
  • チョコレートは板チョコレートを使用し、刻まず手で割る。
  • 「ステンレスバット」を使って、スクエア型でオシャレに仕上げる。
  • 生クリームは口金なし&ジップロックで代用OK。
ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー(画像提供:株式会社KADOKAWA)2

(画像提供:株式会社KADOKAWA)

〈misaさんからの一言ポイント〉

  • 「生クリーム」は、口金がなくても袋の絞り口を並行にカットすると丸く絞れ、斜めにカットするとフリルのような波打ったホイップが絞れます。ジップロックなど厚手のある袋だときれいに絞れて、袋の口が広いからクリーム入れるときも楽です。
  • 「ステンレスバット」は最高の型。バットの型でケーキを作って、正方形や長方形に切るだけでも可愛らしく完成します。タッパーで代用しても大丈夫!
  • 「粉類」は、基本的においしく仕上がるように、「このレシピでは振るわなくていいぞ」という地点までレシピをとことん調整しています。

専門家にとってはNGの方法でも、misaさんのレシピではそのご法度テクを駆使することこそが上手にできるコツ。料理が苦手な人もチャレンジしやすくて、クッキーを割ったり混ぜる工程は子どもに手伝ってもらって、気楽に親子でお菓子作りを楽しめます!

余ったタルト生地も20分焼くとクッキーにできるので、クッキー系のお菓子は読者さんにも大人気。道具や工程を簡単にするだけでなく、材料を余すことなくアレンジできるのもmisaさん流のレシピだからこそ!

レシピの開発に至るまで

ー子どもたちの遊びからヒントを得て、レシピ開発のアイデアはパッと思いつくんですか?

misa:アイデアは、散歩中や入浴中にいきなりフッと来ることが多くて、レシピ本の帯のキャッチ「ご法度だっていいじゃない」も散歩中に思いつきました(笑)。

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー(本誌より)

ー少し地味なイメージも家庭の手作りお菓子のよさだと思うのですが、それとは違う“’簡単で華やか”なmisaさんのレシピの開発工程や失敗談について教えてください。

misa:作るメニューにもよりますが、簡単なものでも最低6回〜13回ほどは試作します。「チーズテリーヌ」は、使うオーブンによって焼き上がり方が違うので、姉と母と一緒に5台の別々のオーブンを使って試作しました。

材料の配合、湯煎の仕方、取り出すタイミング、こちらのオーブンでは焼けたけど別のオーブンでは失敗したなど何回も試作し、どのオーブンでもおいしく焼けるように調整には、200回以上、2年はかかりました。そんなに話題にならなかったんだけど(笑)。

また、発酵やホームベーカリー不使用のチーズパンを作ったときは最初石みたいに硬いパンができたり、キャンディバルーンボウルを作ったときに熱々の水飴が飛んできたりと、体を張った失敗も重ねています。最初は1つずつ開発していましたが、脳がとても疲れたのでそれからは反省して、いろんなメニューを同時進行して脳をリフレッシュさせて開発しています。

misaさんおすすめ簡単スイーツTOP3

1位「世界一気楽にできるショートケーキ風グラスケーキ」

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー(本誌より「世界一気楽にできるショートケーキ風グラスケーキ」)

作業工程約15分の「世界一気楽にできるショートケーキ風グラスケーキ」。リピーターも多く、テレビ番組でも紹介して出演者を驚かせたスイーツです。

〈作り方〉

1、フローズンミックスベリーを煮てソースを作る。

2、マスカルポーネクリームを作る。

3、フィンガービスケットを手で割ってグラスの底に入れ、いちご、「1」のソース、「2」のクリームの順で重ね、トップはお好みでクリームを絞ってトッピングをする。

4、冷蔵庫で3時間以上冷やす。

misa:スポンジを焼かずにフィンガービスケットを使うことで生地を焼く時間を省いています。ソースに漬けるだけで焼き上がったスポンジ生地のようにフワフワになって、マスカルポーネクリームとも相性抜群。冷やしている時間に家でほかのこともできて外出もできます。冷蔵時間は3時間ですが、1日中冷やしてもOK!

レシピでは1個分のグラスで掲載していますが、大きめのバットにフィンガービスケットをそのまま並べて、ソースとクリームをのせて冷やす海外のパーティーみたいなスタイルもおすすめ。スコップですくって食べられる雑さもキュートと評判です!

2位「奇跡のザクザク生チョコケーキ」

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー(本誌より「奇跡のザクザク生チョコケーキ」)

4つの材料(市販のビスケット、食塩不使用バター、生クリーム、板チョコレート)で作る「奇跡のザクザク生チョコケーキ」。

〈作り方〉

1、市販のビスケットを砕いて、溶かしバターと合わせて揉み込む。

2、「1」の7〜8割を型に推し固めながら約2cmの高さまで敷き詰めて冷蔵庫で冷やしておく。

3、板チョコレートと生クリームを電子レンジで加熱し「2」に流し入れ、「1」の残りをパラパラっと散らして、さらに冷蔵庫で3〜4時間冷やす。

misa:保育園の子どもが丸いタライの中に、水分多めの土でできたドロドロのケーキを作って、その上にザクザクとした赤土をのせていた遊びからヒントを得ました。

バレンタインに人気の一品。火も使わないから夏でも作りやすいのもポイント。フォロワーさんはスクエア型のタッパーを使って正方形のケーキを作っていました。

3位「桃のゼリーテリーヌ」

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー(本誌より「桃のゼリーテリーヌ」)

市販のペットボトルの紅茶を使った「桃のゼリーテリーヌ」。

〈作り方〉

1、粉ゼラチンを「キリン 午後の紅茶 ストレイトティー」(50ml)でふやかす。

2、一口大にカットした桃を型に並べる。

3、「1」を電子レンジで加熱し、残りの午後の紅茶を加えて混ぜる。

4、「3」を「2」に流し入れて、冷蔵庫で3時間冷やす。

misa:このレシピは「午後の紅茶 ストレートティー」の甘さがベスト。桃の硬さに合わせてゼラチンの量など調整したレシピですが、桃ではなくリンゴでもOK。「千切りのリンゴ」だと綺麗に切れます。フォロワーさんにも人気で、作って食べて後悔させない一品です!

1番大切にしていることは「楽しいと自分軸」

ー最後に、misaさんにとってレシピ開発のモチベーションや大切なことは何ですか?

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー5

misa:完璧を求めず、「自分軸」で料理することを心がけています。よい意味で自分に期待していないので、落ち込むことも少ないんだと思います(笑)。

大人は知らず知らずのうちに誰かと比べてお菓子作りが苦しい時間になりがちですが、子どもたちは物作りをしているとき、自分の世界に没頭し、「誰かに認めてもらいたい」 といった他人軸を意識した気持ちはないように見えます。

「楽しい!!」を純粋に追いかけているから、唯一無二の作品が生まれるんだなぁと。「ハンバーグが崩れたらそぼろ風、パンナコッタが固まらなかったらドリンク仕立て」など、失敗を“失敗”と捉えず、リカバリーを“遊び”に変えることを子どもたちから日々勉強させてもらっています。

ご法度レシピ本『気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。』(株式会社KADOKAWA発行)著者misaさんインタビュー6

保育の現場からヒントを得て、ふとした瞬間にフワッとレシピが降りてきて、楽しいという感情に従って開発し、お菓子作りに挑戦する人の背を軽やかに押してくれる「ご法度レシピ」。今回のインタビューを通じて、レシピの裏には人と比べることなく自分のワクワクする心に素直に従うことの大切さも伝わってきました。

最後に、「楽しいという気持ちに勝るものはない」と笑う彼女からのメッセージです。

misa:2年という歳月をかけて作り上げたこのレシピ本は、ジャンルや材料を問わず、広くお菓子の世界を楽しめる一冊になっています。自分の「好き」や「得意」を大切にできる、その方にあったお菓子作りが広がってほしいと願っています。誰もが自由にお菓子作りを楽しめますように。

タイトル:気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。

著者:misa

発売日:2024年12月2日(月)

税込定価:1,760円

発行:株式会社KADOKAWA

公式サイト:https://www.kadokawa.co.jp/product/322407001139/

misa

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