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POSTED BY 編集/ライター はな 掲載日: JAN 24TH, 2024.

「七五三」はいつやる? 何をすればいい?

【2024年1月24日更新】知名度が高い行事なのに、意外と知られていない「七五三」のしきたり。「いつやればいいの?」「男の子は3歳もやるの?」「記念写真以外に何をすればいいの?」などの疑問があっても、地域や人によって答えがバラバラだったりして…。そこで、七五三の由来、本来の日取りやしきたりなどについて、和文化研究家の三浦康子さんに教えてもらいました。


11月15日は「七五三」。その由来やお祝いの方法など、知っておきたい基本知識をまとめます。

「七五三」の由来は?

七五三とは、「数え年」で3歳の男女、5歳の男子、7歳の女子が行う「通過儀礼」です。

「数え年」とは、生まれた日を1歳として、以降1月1日が来るたびに年を取るもの。例えば2022年10月1日に生まれた子は、2023年1月1日で2歳になります。数え年で3歳になるのは2024年1月1日で、その11月に3歳のお祝いをするのです(満年齢は2歳1か月)。ただし、現在では、数え年ではなく満年齢で祝うことも多くなりました。

「通過儀礼」とは、人生の節目に行われる儀式のことで、七五三は成長の節目となる3・5・7歳で行います。昔は、乳幼児のうちに亡くなることも多かったので、3・5・7歳という節目の年に、そこまで成長できたことを神様に感謝し、これからも健やかに育つよう祈願するようになりました。由来になったのは平安時代から行われていた「髪置(かみおき)」「袴着(はかまぎ)」「帯解(おびとき)」という儀式で、江戸時代に「七五三」になったといわれています。

晴れ着で社寺にお参りする「七五三詣(しちごさんもうで)」は、11月15日に行うのが本式です。日付の由来は諸説ありますが、江戸時代の5代将軍徳川綱吉が、体の弱い息子のために袴着の儀を行った日にちなんで定着したという説が有名。11月15日は鬼宿日(きしゅくにち)という、大変縁起のいい日でした。

3歳の男女は「髪置の儀」

昔の赤ちゃんは髪を剃っていて、3歳から髪を伸ばし始めました。その3歳まで無事に育ったことを祝う儀式が「髪置の儀」。頭に白髪に見立てた綿帽子をかぶせ、「髪が真っ白になるまで長生きするように」と願いを込めました。

本来、3歳は男女のお祝いですが、今は女の子だけが行う地域が多いようです。女の子の衣装の特徴は、祝い着の上にまとう「被布(ひふ)」という袖なしの羽織物。まだ正式な帯を結ばない女児の着物の上から着用します。

5歳の男子は「袴着の儀」

男の子が5歳になり、初めて袴(はかま)を着けるのが「袴着の儀」。古来、袴を着けるということは社会の一員になることを意味していました。

現代の衣装は、紋付きの羽織と袴が一般的。羽織は勇ましい鷹や兜の絵柄、袴は縞柄が人気です。

7歳の女子は「帯解の儀」

joloei / Shutterstock.com

女の子は7歳になると大人同様に帯を結ぶ着物になります。その初めて帯を結ぶ儀式が「帯解の儀」です。

衣装は、華やかな振り袖に袋帯や丸帯を締めます。帯の上には「帯揚げ」、下には「しごき」という飾り紐を結ぶのが特徴。「筥迫(はこせこ)」という美しい小物入れを胸元に差します。

七五三はいつ、何をすればいい?

Jirat Teparaksa / Shutterstock.com

近年は、七五三というと「素敵な衣装を着せて、写真館で記念撮影」というイメージが強くなっていますが、社寺への参拝と、家族の会食も大切です。七五三のような通過儀礼は、祝い膳を食べてお祝いすることで完結します。

氏神様にお参りする

本式では11月15日に、近所の氏神様にお参りします。その地域の氏神様は、いつも子どもを護ってくれている存在。これまで無事に成長できたことに感謝し、これからも健やかに育って地域の一員になれるよう願います。

近年では、11月15日にこだわらず、その前後の休日や都合の良い日に参拝する家族が多くなりました。また、氏神様ではなく、有名な社寺などに行く人も増えています。

参拝の後は家族で祝い膳を

参拝が済んだら、自宅やレストランに祖父母などを招いて、祝い膳でお祝いします。お赤飯や鯛の姿焼きなどの縁起の良い食べ物に加え、子どもの好きなものを用意してもよいですね。

また、七五三の定番「千歳飴」も忘れずに。千歳飴には長寿の願いが込められています。

今回は七五三の由来やしきたりをお伝えしましたが、最も大切なのは子どもの健やかな成長を願う気持ちです。七五三の伝統を心に留めつつ、家族に無理のないように工夫してお祝いしましょう。

監修:三浦康子
和文化研究家。日本の文化を今に生かす方法をさまざまなメディアで提案。「行事育」提唱者。著書に『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)他多数。
http://wa-bunka.com/

[All Photos by shutterstock.com]

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hana/編集/ライター

コーヒーチェーン副店長から編集の道へ。現在は保育園児の母とフリーランス編集者の2足のわらじを履く、なんちゃってワーキングマザー。スポーツ観戦が生活の一部で、贔屓チームの勝敗が体調に影響を及ぼす厄介な体質。ワールドカップの日本開催を機にラグビーも勉強中。

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