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POSTED BY 編集/ライター はな 掲載日: SEP 1ST, 2023.

リンゴのカロリーや栄養は?長持ちする保存方法や冷凍のコツも【専門家監修】

リンゴは老若男女問わず人気の果物。甘味と酸味のバランスが良く、サクサクとした食感やジューシーさが魅力ですよね。保存がきくイメージがありますが、冷蔵庫の中に入れっぱなしで味が落ちてしまったり、ダンボールに入れておいたら傷んでしまったりした経験はありませんか? この記事では、リンゴの人気品種や栄養価、おいしく長持ちさせる保存のコツなどを紹介します。

【特徴】出荷量2位の人気の果物。日本では2000品種を栽培

リンゴはバラ科の果物で、原産は中央アジア。起源は約8000年前とされ、人類が食した最古の果物と考えられています。日本では明治時代に栽培を開始。今や日本ではミカンに次いで2番めの出荷量を誇る、老若男女問わず人気の果物です。

リンゴが多く出回るのは10〜2月ごろですが、収穫期は8〜11月ごろ貯蔵法の進化により、この時期に収穫したリンゴが1年通して出回っています。主な産地は青森県や長野県などの冷涼地。日本では約2000品種が栽培されています。

リンゴは、害虫から守るために袋をかけて栽培する「有袋(ゆうたい)栽培」が主流。有袋栽培は果皮の色付きや見栄えが良くなり、貯蔵性が高まるメリットもあります。

それに対して、袋をかけずに栽培するのが「無袋(むたい)栽培」。色付きや見た目は有袋栽培に劣りますが、太陽の光を浴びて育つために香りや甘みが優れています。品種によっては蜜が入ることも。品種名の頭に「サンふじ」などと「サン」が付くのは、無袋栽培されたものです。

・リンゴの主な品種

■ふじ
日本での生産量1位で、海外での評価も高い人気品種。甘味と酸味のバランスが良く、肉質はかためでジューシーです。有袋栽培されたものは貯蔵性が高く、1年通して流通。旬のものは10月下旬ごろから出回ります。無袋栽培された「サンふじ」はさらに甘みが強めです。

■つがる
生産量2位の品種で、出回り時期が8月下旬ごろからとやや早め。「ふじ」よりひと回り小さく、果皮に紅色の縞が入ります。甘みが強く酸味がほとんどないのが特徴。無袋栽培された「サンつがる」はさらに甘みが強めです。

■王林
果皮は黄緑色で茶色の斑点がある黄色系の品種。芳醇な香りとナシのようなサクサクとした食感が特徴。甘味が強く酸味は控えめで、ヨーグルトの酸味とよく合います。10月中旬〜6月ごろまで出回ります。

■ジョナゴールド
「ふじ」よりもひと回り大きい品種、10月ごろから出回ります。果皮は黄色い地に紅色が入り、光沢があります。さわやかな酸味とシャキシャキとした食感が特徴。加熱調理や加工用に向いています。甘みの強い果物と一緒にスムージーを作ると、ジョナゴールドの酸味で味が引き締まります。無袋栽培の「サンジョナゴールド」もあります。

■シナノスイート
「ふじ」と「つがる」をかけあわせた、長野県が育成した品種。名前の通り甘みが強くて果汁も豊富。香りの良さやサクサクとした食感も好まれ、近年人気が出てきています。10月上旬ごろから出回ります。

■紅玉
名前の通り果皮が濃く鮮やかな紅色で、やや小ぶりな品種。酸味が強く煮崩れしにくいため、アップルパイなどの加熱調理に向いています。10月中旬ごろから出回ります。

【選び方】皮にハリとツヤがあり、持ったときに重いものを

皮はハリとツヤがあって色付きがよく、軸は太くしっかりとしていて、持ったときにずっしりと重いものが良品。形は左右対称で変形していないもの、おしりが深くくぼんでいるものが良いでしょう。

完熟しているかを見分けるには、おしりの色をチェック。緑色のものは完熟手前で酸味が強め、おしりまで赤や黄色になっているものは完熟して甘みが増しています。

【保存】新聞紙+ポリ袋で野菜室保存するのがおすすめ

リンゴを保存するときの適温は0〜5度前後なので、基本的には冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめ。2週間〜1カ月保存可能です。

冷蔵保存の注意点は2つ。ひとつは乾燥を防ぐために新聞紙やペーパータオルで1個ずつ包むこと。もうひとつはリンゴから発生するエチレンガスで他の野菜の生長を促さないようにするため、ポリ袋に入れて口をしっかり縛ることです。

秋〜冬の気温の低い時期は、暖房の当たらない冷暗所でも1カ月程度は保存可能。常温保存する際も、1つずつ新聞紙かペーパータオルで包んだ方が鮮度を保てます。

カットしたリンゴは断面が変色しやすいため、塩水に浸けるかレモン汁を振りかけると変色が防げます。切り口をピッタリとラップをして野菜室で保存し、2〜3日を目安に使い切りましょう。

大量に入手して食べきれない場合は、冷凍保存にして、食感を変えて楽しむのもおすすめ。リンゴをくし切りや輪切りにして、冷凍用保存袋に平らに入れて冷凍しましょう。皮は好みでむいてもむかなくてもOK。皮をむかない場合はしっかり水洗いしてください。保存期間は1カ月程度です。

食べるときは、冷凍庫から出して数分置いて半解凍の状態でいただくと、シャリシャリ食感のシャーベット風に。また、電子レンジで加熱して焼きリンゴ風するととろっとした食感を楽しめます。凍ったままアップルパイやコンポートなどの加熱調理に使うこともできますよ。

【栄養・効果】高血圧予防、疲労回復、アンチエイジング、便秘予防に

リンゴの可食部100gあたりのエネルギーは、皮なしは53kcal、皮付きは56 kcal。イギリスに「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」ということわざがある通り、とても栄養価の高い果物です。

体内の余分なナトリウムを排出して高血圧を予防するカリウム、皮膚や粘膜の健康維持に役立つビタミンC、疲労回復効果のあるリンゴ酸やクエン酸、強い抗酸化力でアンチエイジングに役立つりんごポリフェノールなど、体にうれしい成分がいろいろ含まれています。

食物繊維も多く含み、なかでも水溶性食物繊維のペクチンが豊富。ペクチンには善玉菌を増やして腸内環境を整える作用があり、便秘予防の効果があります。

ポリフェノールもペクチンも皮に多く含まれるため、効果を十分に得たいときは皮ごと食べるのがおすすめです。

ちなみに、品種によっては果皮がワックスで磨いたようにツヤツヤしているものがありますよね。これは完熟すると分泌される「ろう物質(天然のワックス)」で、食べても問題ありません。日本のリンゴにはワックスは使用されていないので、安心して食べましょう

【食べ方】くし切りや輪切りにして。ジャムやケーキを作っても

リンゴを食べるときは、縦に6〜8等分のくし切りにするのが定番ですよね。

他の切り方としては、皮付きのまま軸を横にして輪切りにするのもおすすめ。皮の面積が少ないので皮付きでも食べやすく、皮付近の栄養素や甘みを無駄なく摂取できます。しかも、廃棄するのは中央の芯の部分だけなのでとてもエコ。芯の部分が星の形に見えることにちなんで「スターカット」とも呼ばれています。

大量に入手したときは、サラダに加えたり、ジャムやケーキを作ったりするのもいいですね。

監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。


栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。

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はな

hana/編集/ライター

コーヒーチェーン副店長から編集の道へ。現在は保育園児の母とフリーランス編集者の2足のわらじを履く、なんちゃってワーキングマザー。スポーツ観戦が生活の一部で、贔屓チームの勝敗が体調に影響を及ぼす厄介な体質。ワールドカップの日本開催を機にラグビーも勉強中。

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