冬が旬の春菊は、すき焼きや湯豆腐などの鍋物に欠かせない野菜。栄養豊富な緑黄色野菜の一つですが、「苦みが苦手…」という人も多いですよね。そんな人におすすめしたいのが春菊のサラダ。春菊は生食にすると苦みが少なく、香りとシャキシャキ食感を楽しめるのです。春菊サラダのレシピや新鮮な春菊の見分け方、冷凍保存法などを紹介します。

目次
【特徴】香りとギザギザの葉の形が独特。食用しているのはアジアだけ

春菊はキク科の野菜。原産地は地中海沿岸とされていますが、ヨーロッパでは独特な香りが食用としては好まれず、観賞用として栽培されています。春菊を食用にしているのは、中国やインドなどのアジア地域だけです。
日本へは室町時代に中国から伝わったと考えられており、江戸時代末期頃から西日本を中心に栽培が本格化。戦後、関東地方にも広まっていきました。
名前の由来は、ギザギザした葉の形が菊の葉に似ていて、春に黄色い花を咲かせることから。関西地方では主に「菊菜(きくな)」と呼ばれています。
主な生産地は大阪府、千葉県、福岡県。一年通して流通していますが、旬は冬から春先にかけて。夏場のものよりやわらかく、香りも味も濃く感じられます。
【選び方】葉は濃い緑色でみずみずしく、切り口が乾燥していないもの

春菊は傷みやすい野菜なので、鮮度の確認が重要。葉は濃い緑色でみずみずしく、肉厚でハリとツヤがあるもの、香りの強いものが新鮮です。葉に変色があるもの、茎の切り口が乾燥しているものは避けましょう。
また、根元からたくさん葉がついていて、茎が太すぎないものがやわらかくておいしいと言われています。
【保存】購入日に使うのがベスト。冷蔵保存は湿らせた新聞紙に包んで
春菊は鮮度が落ちやすいため、購入した日に使うのがベスト。2〜3日で使うなら、湿らせたペーパータオルや新聞紙で包み、ポリ袋に入れて野菜室に立てて保存してください。
どうしても使い切れないときは、冷凍保存も可能です。固めに茹でて水気を切り、食べやすい長さに切ってから、ラップに包んで冷凍用保存袋に入れて冷凍を。約1カ月保存できます。鍋物や汁物に使うときは、凍ったまま加熱してOK。おひたしや和え物にするなら、自然解凍して水気を絞ってから使いましょう。
【栄養・効果】香りには自律神経を整えたり、咳や痰を鎮めたりする効果も
春菊は栄養価の高い緑黄色野菜の一つで、可食部100gあたりのエネルギーは20kcal。免疫アップや抗酸化作用のあるβカロテン、骨粗しょう症の予防に役立つカルシウム、高血圧予防によいとされるカリウムなどを多く含んでいます。
独特の香りは、αピネンやペリルアルデヒドなどの香り成分によるもの。これらは胃腸の働きに作用して消化促進や食欲増進、自律神経を整える働き、咳や痰を鎮める効果も期待されています。
【食べ方】定番は鍋物や和え物。苦みが苦手な人はサラダがおすすめ

春菊を使ったメニューといえば、すき焼きや湯豆腐などの鍋物、和え物、おひたし、天ぷらなどが定番ですね。
ただ、独特の苦みがあるので、「春菊は苦手…」という人も少なくないはず。そこでおすすめなのが、春菊のサラダです。鮮やかな緑色とシャキシャキ食感を楽しめます。春菊は加熱すると苦みが強く出るので、生食の方が食べやすく感じるはず。
生食用の春菊もありますし、普通の春菊を使うなら、葉のやわらかい部分を使いましょう。水にさらしてシャキッとさせて、好みのドレッシングで和えてみて。油脂と相性がいいので、油分を含むツナ缶やカリカリベーコンなどを加えてもおいしいですよ。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
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はな
hana/編集/ライター
コーヒーチェーン副店長から編集の道へ。現在は保育園児の母とフリーランス編集者の2足のわらじを履く、なんちゃってワーキングマザー。スポーツ観戦が生活の一部で、贔屓チームの勝敗が体調に影響を及ぼす厄介な体質。ワールドカップの日本開催を機にラグビーも勉強中。
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