そうめんや冷奴にアクセントを加える夏の香味野菜、ミョウガ。さわやかな香りとほのかな苦味、シャキシャキの食感が魅力ですが、せっかく購入しても少量しか使わず、使い残したまま冷蔵庫で傷んでしまうことも……。そこで今回は、冷蔵保存で鮮度を保つコツや、冷凍保存方法を伝授。長期保存・大量消費におすすめの「甘酢漬け」のレシピや、切り方、栄養なども紹介します。
【特徴】さわやかな香りの香味野菜。旬は夏
ミョウガはショウガ科ショウガ属の野菜で、原産地は日本を含むアジア東部。3世紀に書かれた「魏志倭人伝」に記載があるほど日本での歴史は長く、現在でも北海道から沖縄まで、日本各地に自生しています。
さわやかで独特な香りとほのかな苦味がある香味野菜で、日本ではそうめんや冷奴の薬味、味噌汁の具材などで親しまれています。
スーパーなどで「ミョウガ」として売られているのは、地下茎から出たつぼみ部分で、花が咲く前に収穫したもの。このほか、若い茎を軟白栽培し、50〜60cmに伸びたものを食用にする「ミョウガタケ」もあります。
ミョウガはつぼみが出る時期によって2種類に分けられ、6〜8月に出る「夏ミョウガ」は少し小ぶり、8〜10月に出る「秋ミョウガ」は大きくて鮮やかな色合いが特徴です。
代表的な生産地は高知県で、生産量のはなんと全国の約9割。露地栽培の旬は夏ですが、ハウス栽培の普及により1年中出回っています。
【選び方】色ツヤが良く、ふっくらして丸みのあるもの
紅色が鮮やかでツヤがあり、ふっくらして丸みのあるものが良品の特徴。傷がなく、固く締まっているものを選んでくださいね。花が咲きかけのものや、フカフカしているものは避けましょう。
【保存】湿らせたペーパータオルに包んで野菜室へ
ミョウガは鮮度が落ちやすく、買ったまま冷蔵庫に入れておくと2〜3日で傷んでしまいます。乾燥すると香りが損なわれてしまうので、湿らせたペーパータオルで包み、さらにラップで包むかポリ袋に入れて野菜室で保存しましょう。1週間ほど保存可能ですが、早めに食べるのがベスト。
また、使い切れない場合は冷凍を。約1か月保存できます。ただし、冷凍するとシャキシャキ感がなくなってしまうので、薬味には不向き。味噌汁や炊き込みご飯の具材、和え物などに使いましょう。
冷凍するときは、ミョウガを丸ごとのまま洗って水気を拭き取り、ラップで包んでから冷凍用保存袋に入れて。使うときは、冷凍庫から出して数分おけば刻めるようになります。
先に千切りや輪切りなどにしてから小分けにしてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍してもOK!
【レシピ】大量入手したら「甘酢漬け」で長期保存がおすすめ
大量に入手したときは「甘酢漬け」にするのがおすすめ。清潔な調理器具や保存容器で作れば、冷蔵庫で1〜2か月程度保存できます。
酢につけることで紅色が鮮やかになるので、彩りとしても◎。箸休めにしたり、焼き魚に添えたり、刻んで麺類や冷奴の薬味ダレに加えてもおいしいですよ。
【材料】
・ミョウガ(10個ほど)
・A:酢(150cc)、砂糖(50g)、塩(小さじ1)
【作り方】
1:Aを小鍋でひと煮立ちさせ、火を止めて冷ます。
2:ミョウガの根元を切り落としてから縦半分に切る。沸騰した湯でさっと茹でて、ザルにあげる。
3:煮沸した清潔な保存容器に、1と2を入れてふたをし、冷蔵庫で一晩寝かせる。
漬け込み期間を長くすれば、より甘酢が染み込みます。ミョウガがたくさんあるときはAを比例して増やしてください。好みで砂糖や塩の分量を調整してもOKです。
【食べ方】香りや食感を楽しむなら生食で。用途で切り方を変えよう
ミョウガは加熱すると香りが弱くなります。さわやかな香りやシャキシャキ感を楽しみたいときは、生で使いましょう。切った後は10秒ほど水にさらしてアク抜きを。水に長くさらすと風味が落ちるので注意してくださいね。
切り方は用途に合わせて選びましょう。そうめんの薬味や和え物、味噌汁には輪切りがおすすめ。ほかの具材や調味料と絡みやすくなります。根元が変色していたら切り落とし、端から輪切りにしてください。
炊き込みご飯やかき揚げ、冷奴のトッピングなら、ミョウガの存在感が際立つ「千切り」に。まず根元が変色していたら切り落とし、縦半分にカット。芯の部分をV字に切って取り除き、縦方向に1〜2mm幅で刻みます(芯がついたまま切ると千切りがつながってしまいます)。取り除いた芯の部分も刻んで使いましょう。
【栄養・効果】香り成分「アルファピネン」で食欲増進。夏バテ予防に
ミョウガの可食部100gあたりのエネルギーは11kcal。約95%は水分で、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含んでいます。カリウムは余分なナトリウムを体外に排出する作用があるので、むくみや高血圧の予防に効果的です。
独特の香りは「アルファピネン」という香り成分によるもの。アルファピネンには食欲増進、消化促進、血行促進、ストレス緩和などの働きがあるので、夏バテ予防に有効ですよ。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
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hana/編集/ライター
コーヒーチェーン副店長から編集の道へ。現在は保育園児の母とフリーランス編集者の2足のわらじを履く、なんちゃってワーキングマザー。スポーツ観戦が生活の一部で、贔屓チームの勝敗が体調に影響を及ぼす厄介な体質。ワールドカップの日本開催を機にラグビーも勉強中。
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