ポリポリとした食感やみずみずしさが特徴のキュウリは、サラダや漬け物、和え物などに欠かせない野菜。でも、まとめ買いしたら思ったより日持ちせず、「使い切れずに傷んでしまった」なんてことはありませんか?今回は、キュウリを無駄なく使い切るための冷蔵&冷凍保存法を解説。キュウリと相性抜群の塩昆布やツナを使った、おすすめの大量消費レシピも紹介します。

目次
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【特徴】生食できる手軽な野菜。主流は表面に光沢のある「ブルームレスキュウリ」

キュウリはウリ科の野菜で、原産地はインド北部のヒマラヤ山麓。日本へは10世紀頃に伝わったとされていますが、江戸時代まではツルに近い部分が苦いため、あまり人気がなかったようです。栽培が盛んになったのは明治時代以降のこと。品種改良によって苦味の少ない品種が作られるようになり、生で食べられる手軽さもあって徐々に普及していきました。
表面にあるいぼ(トゲのようなもの)の色で「白いぼキュウリ」と「黒いぼキュウリ」に大別されます。白いぼキュウリは緑が鮮やかで見栄えがよく、皮が薄くて苦味が少ないため、現在の日本の主流に。黒いぼキュウリはわずかに栽培されるだけとなっています。
さらに、白いぼキュウリは、表面にブルームと呼ばれる白い粉が出ている「ブルームキュウリ」と、ブルームが出ない「ブルームレスキュウリ」に分けられます。ブルームは表面を保護して水分の蒸発を防ぐ役割がありますが、白い粉が残留農薬と間違われることも。現在は、ブルームがなくて表面に光沢があり、日持ちもよいブルームレスキュウリが主流になっています。
キュウリの旬は夏ですが、ハウス栽培も多く1年を通して流通。出荷時期によって冬春キュウリと夏秋キュウリに分類されます。冬春キュウリは主にハウス栽培で、宮崎県、群馬県、埼玉県などの関東から九州にかけて栽培。夏秋キュウリは福島県、群馬県、岩手県などの冷涼な地域で主に栽培されています。
【選び方】緑が鮮やかで太さが均一なら、多少曲がっていてもOK

表面の緑色が濃く鮮やかで、ツルの切り口がみずみずしく、太さが均一なものを選びましょう。持ったときにずっしりと重く、表面のいぼがチクチク感じるくらい尖っているものが良品。これらの条件を満たしていれば、多少曲がっていても鮮度や味に大きな影響はありません。
反対に、表面の皮にハリがなくシワが寄っているものは、鮮度が落ちて水分が抜けているので避けましょう。
また、ブルームキュウリの場合は、全体に白いブルームがついているものが新鮮です。
【保存】冷蔵保存は3〜4日が目安。冷凍するなら薄切り&塩もみを
キュウリは低温や乾燥が苦手。表面が濡れている場合は水気を拭き取り、乾燥しないようにポリ袋に入れ、密閉はせずに、ツルの切り口を上にして立てて、野菜室で保存しましょう。3〜4日間は保存可能です。冬場などの寒い時期は、風通しのいい冷暗所があればそこで常温保存するのがおすすめ。
期間内に使い切れないときは、冷凍することで1か月程度保存可能になります。キュウリを薄切りにして塩もみし、水気を絞ります。使いやすい量に小分けにしてラップをし、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。
食べるときは自然解凍し、水気を絞ってから、ポテトサラダや酢の物や和え物、浅漬けなどに使いましょう。
【栄養・効果】約95%が水分。熱中症予防やむくみの解消に効果
キュウリの可食部100gあたりのエネルギーは13kcal。約95%が水分です。
栄養素は豊富ではありませんが、淡色野菜のなかではカリウムが豊富。他には、ビタミンA、C、Kなどのビタミン類、亜鉛やマグネシウムなどのミネラル類も少量ながらもバランスよく含んでいます。
また、キュウリは水分が多く身体を冷やす効果があり、汗と一緒に流れ出てしまうカリウムなどのミネラルも含んでいるので、熱中症の予防にぴったりの夏野菜なのです。
【食べ方】調理前には「板ずり」を。塩昆布やツナと和えて大量消費

キュウリは中華の炒め物などにも使われますが、日本では食感やみずみずしさを活かして、生食することが多いですよね。まるごと浅漬けやぬか漬けにしたり、スライスしてサラダや酢の物にしたりと、さまざまな副菜に使えます。
キュウリをおいしく調理する秘訣は、切る前の「板ずり」。全体に塩を振り、まな板の上でゴロゴロ転がしましょう。表面のイボが取れ、味が馴染みやすくなります。
キュウリを大量消費したいときは、ひとりあたり1本分をペロッと食べられる一品料理がおすすめ。
板ずりしたキュウリをポリ袋に入れて麺棒で軽く叩き、食べやすい大きさに手で割きます。ごま油、しょうゆ、砂糖、鶏ガラスープ(ニンニクすりおろしでも)、白ごまを加えてよく揉み込みます。麺棒で叩くと調味料が馴染みやすくなりますよ。ない場合は輪切りや乱切りでもOK!
また、叩いたキュウリと塩昆布も好相性。塩昆布だけで和えてもおいしいですが、ごま油と白ごまを加えれば中華風になります。
薄切りにしたキュウリとツナ、マヨネーズ、塩コショウで和えてサラダ風にするのもいいですね。
どの味付けも、副菜としてもお酒のつまみとしても、箸が進みますよ。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
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hana/編集/ライター
コーヒーチェーン副店長から編集の道へ。現在は保育園児の母とフリーランス編集者の2足のわらじを履く、なんちゃってワーキングマザー。スポーツ観戦が生活の一部で、贔屓チームの勝敗が体調に影響を及ぼす厄介な体質。ワールドカップの日本開催を機にラグビーも勉強中。
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