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山口彩

POSTED BY 統括編集長/フードアナリスト 山口彩 掲載日: OCT 30TH, 2020.

新潟出身VS秋田出身、本当にうまい米はどっちだ!コシヒカリとあきたこまち、最高の食べ比べ

新米の季節ですね〜。炊きたての銀シャリのおいしさは格別、食欲の秋へまっしぐらです。さて、あなたの好きなお米の銘柄はなんですか?好みや出身地によっても意見が別れるところではありますが、今回は編集部の新潟出身新米社員VS秋田出身新米社員による「コシヒカリ」VS「あきたこまち」の熱戦を実食ルポでお届けします。正直、こんなに長い戦いになるとは・・・乞うご期待!

新旧炊飯器の炊き比べ中、突然戦いのゴングが鳴り響く

事の発端は、10万円級の最新機種炊飯器の機能検証のため、新旧両機種でコシヒカリを炊き比べ、食べ比べしていたときのこと。「炊きたてはどっちもおいしいけど、冷めると新旧でおいしさが全然違うね〜」と話していたところに、秋田出身の新人Yがボソッと一言。

「あきたこまちの方がおいしい・・・」

そこ!?とつっこみたくなるのをこらえて聞いてみると、生まれてから今まで20数年間、あきたこまち以外のお米を食べたことがないと言う。いや、厳密には外食やコンビニ弁当など、ありとあらゆる銘柄のお米を食べてはいるはずですが、自宅であきたこまち以外のお米を炊いたことはなく、あきたこまち以外のお米を「●●米」と意識して食べ比べる機会もなかったそうです。

そこへ新潟出身の新人Aがさらなる一言。

「自分もコシヒカリ以外の米を食べたことないです」

なんたること。米所出身者恐るべし! というわけで、新旧炊飯器の炊き比べ検証と並行して、「コシヒカリ」VS「あきたこまち」の食べ比べもしてみよう!ということになったのでした。

【Round 1】「コシヒカリ」最新炊飯器 銘柄米炊きVS「あきたこまち」旧炊飯器 銀シャリ炊き

新人Yは、あきたこまちのポテンシャルにかなり自信があるようだったので、まずは、最高の状態で炊いたコシヒカリと、普通に炊いたあきたこまちで食べ比べすることにしました。

そう、第一ラウンドは、10万円クラスの最新機種炊飯器の銘柄米炊きで「コシヒカリ」を炊き、旧機種炊飯器の銀シャリ炊きモード(通常の炊き方)で「あきたこまち」を炊きます。

銘柄米炊きとは?
銘柄米を一番美味しく炊き上げるために、お米の性質や味や食感を科学的に分析。銘柄米の個性に合わせて、自動で炊き分けます。
Panasonic公式サイトより

新潟出身の新人Aと、筆者を含む関西出身の2名は、噛み締めるほどにお米の甘みを感じるコシヒカリに、迷いなく一票。

しかし秋田出身のYは、どちらのお米かわからないようにブラインド試食したにも関わらず、「コシヒカリはもちもち感と甘みがある。でも自分にとっては甘すぎるって感じ。甘みは抑えめで噛み応えのある、いつも食べ慣れている感じのおいしいお米はやっぱりあきたこまちです」と見事に銘柄を言い当てたのです。

しかもそれぞれのお米の特徴までしっかり言い当てながら・・・。

これは衝撃でした。こうなると、どちらがおいしいかというより、好みの問題です。ちなみにこの後さらに数名に食べ比べをしてもらいましたが、コシヒカリを選ぶ人が多いものの、あきたこまちの方が好きと言う人も少数ですがいました。

うーん、結局、対決というより「それぞれの好みだよね」という結果になってしまうのでしょうか・・・。

このままでは気持ちがモヤモヤするので、次回は最高の状態で炊いたあきたこまちと、普通に炊いたコシヒカリで食べ比べすることにしました。

【Round 2】「あきたこまち」最新炊飯器 銘柄米炊きVS「コシヒカリ」旧炊飯器 銀シャリ炊き

今回は、前回コシヒカリをおいしいと選んだ3人がブラインド試食することになりました。

うーん、これは・・・正直どちらもおいしい。前回よりも、明らかな差がないように感じられました。それでも、よーく食べ比べてみると、片方の方がよりふっくらみずみずしく、甘みがあって、粒が立っています。

各自おいしいと思った方のお茶碗を「せーの!」で指をさすと、満場一致!

3人で顔を見合わせて、やっぱりこっちがコシヒカリだと確信したとき。

秋田出身のYがやったー!とガッツポーズをしたのです。

「え?なに?どういうこと?」
「みんなが選んだこっちが、あきたこまちです」
「えー!!!!!!!」

あまりの衝撃に、3人とも顔を見合わせます。

ちなみに、筆者の自宅の炊飯器も2年前に購入したものですが、10万円クラスのものです。銘柄米炊き機能はありません。
そして今日食べた銘柄米炊きあきたこまちは、昨夜我が家で炊いたあきたこまちより明らかにおいしかったです。恐るべしパナソニックの最新機種銘柄米炊き。

その後も3人は、一日中、何度も顔を見合わせては、信じられない、を連発していました。

一方、素朴な疑問も浮上しました。今日あきたこまちにノックダウンされた3人からすると、今日のあきたこまちは、コシヒカリっぽかったとも言えます。新人Yにとっても今日のあきたこまちは、あきたこまちっぽくないのでは?と。

「たしかに、いつもよりふっくらして甘みがありました。でもやっぱり、食べ慣れたあきたこまちの感じはありました」

とのこと。

うーん、何だか納得いきません。

というわけで、次回もう一度、コシヒカリとあきたこまち両方を銘柄米炊きして、しっかり検証してみることに!

【Round 3】「コシヒカリ」銘柄米炊きVS「あきたこまち」銘柄米炊き

結果から言うと、この勝負は失敗。あきたこまちの米袋を常温で放置している間に、どうやらお米が傷んでしまったらしく、勝負にならないくらい味が劣化してしまったんです。さすがに今回は秋田出身Yもコシヒカリの方がおいしいと言いました。

新潟出身A「このあきたこまちはチャーハンにしたらいいかも」
秋田出身Y「もしかして、ディスられてます?」

軽いジャブを交わしながら、戦いはさらに続くのでした。

【Round 4】「コシヒカリ」銘柄米炊きVS「あきたこまち」銘柄米炊きを新米で!

せっかくなら、それぞれ最高の状態で味わおう!ということで、新たに新米を用意して炊き比べ。コシヒカリは、新潟出身Aの実家のおばあさまから送られてきた新米です。あきたこまちはスーパーで買ってきた新米です。

ただ、最新機種の炊飯器2台は用意できなかったので、1台で2回炊くしかありませんでした。今回は先にあきたこまちを銘柄米炊きして旧炊飯器で保温しておき、その後コシヒカリを銘柄米炊きします。

公正に判断するため、コシヒカリ派3名と、あきたこまち派3名でブラインド試食。せーの!でおいしいと思った方を指差します。

またしても満場一致!そしてみんなが指さしたお米は・・・炊きたてのコシヒカリだったのです。

「これでばあちゃんにいい報告ができる」

力強く拳を握る新潟出身A。微妙な表情の秋田出身Y。

とはいえ・・・そうなんです。これまでの流れを見てきた賢明なみなさんならお気づきの通り、この満場一致は銘柄勝負というより、炊きたてのチカラかもしれません。実際、みんな「どちらもすごくおいしいけれど、強いていうならこっち」という選択でした。

ここまで戦いを見守ってきた我々も、やはり炊きたてのあきたこまちと、保温したコシヒカリでもう一度検証したいと思いました。

【Round 5】「コシヒカリ」銘柄米炊きVS「あきたこまち」銘柄米炊きを新米で!再び。

今回はコシヒカリを先に炊いて保温しておき、あきたこまちを炊きたてでいただきます。さらにおいしさを追求するため、お水はフレシャスのおいしい天然水にしてみました。

結果は・・・本当にどちらもおいしい。ごはんをおかずに、白米を食べられるくらい・・・そう、白米の無限ループです。新米の季節の至福を感じます。

でも強いていうなら、やっぱり炊きたてのあきたこまちがおいしい、ということになりました。炊きたてってやっぱり、水分量や米の粒の立っている感じが絶妙なんですよね。

新米の季節です!

「コシヒカリ」VS「あきたこまち」、新旧の炊飯器2台と過ごしたこの2カ月。新米のおいしさ、最新機種の銘柄米炊き機能のものすごさを思い知った2カ月でした。

結局、それぞれのお米のよさがあり、それぞれの食の好みがあるのかもしれません。

うーん、でも、本当にそれでいいのか!?結局はっきりとした検証ができなかったのは非常に残念です。パナソニックさん、今度最新機種2台、貸してください!

[Photos by Aya Yamaguchi]

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山口彩

aya yamaguchi/統括編集長/フードアナリスト

インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「イエモネ」を立ち上げる。現在は「イエモネ」「TABIZINE(タビジン)」「novice(ノーヴィス)」「bizSPA!フレッシュ」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。引越し歴は15回。

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