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三浦康子

POSTED BY 和文化研究家 三浦康子 掲載日: NOV 11TH, 2023.

【月の満ち欠け】女性のからだと密接に関係している!?周期やすべきことをわかりやすく解説!

古くから人は月と深い関係にあります。生活面では、月の満ち欠けで暦を作り、月明かりで暮らし、月の動きで時を知るなど、月に寄り添いながら暮らしてきました。でも、それだけではありません。月の満ち欠けが人のからだ、とりわけ女性のからだに大きな影響を与えていることがわかっており、東洋医学に取り入れられてきました。月のリズムと女性のからだについて、和文化研究家の三浦康子が解説します。

【月の満ち欠け】しくみや周期をわかりやすく説明!

月の満ち欠けを取り入れた東洋医学

潮の満ち引きが月の引力に影響されていることは広く知られていますよね。また、私たちの体は60%〜70%が水分でできているため、潮の満ち引きと同じように月の影響を受けていると考えられています。
とくに女性のからだと月のリズムには密接な関係があり、東洋医学において月の満ち欠けは体調に影響を与えると考えられてきました。

昔は、新月と満月で治療の仕方が違っていた!

中国最古の医学書とされる『黄帝内経(こうていだいけい)』に「月の満ち欠けが人体に影響を与える」と記されており、東洋医学では人と月は大きく関係していると考えられてきました。また、治療法については「天と地にはその巡り方に法則がある。その天光(太陽・月・星)に合わせるべき」とあり、新月と満月では治療方法に違いがみられます。体中のものが動く新月には、「動かす治療を避けて体調を整える治療」を、体中が満ちている満月には、「補う治療よりも溜まったものを巡らせる治療」をすることが多いそうです。

月の満ち欠けのサイクルと女性のからだのサイクル

今月の満月・新月はいつ?月の満ち欠け一覧

女性の生理を「月経」「月のもの」と言うように、月と女性のからだには繋がりがあり、月の満ち欠けと生理は同じような周期で巡ります。

月の満ち欠けの周期は、平均29.5日

新月→上弦の月(満ちていく月の期間)→満月→下弦の月(欠けていく月の期間)というサイクルを繰り返しています。

女性の生理周期は、平均28日~30日

排卵期→黄体期→月経期→卵胞期というサイクルを繰り返しています。

新月から満月までの「満ちていく月の期間」は、エネルギーを取り込んで成長する時期。吸収・リラックス・インプット・補給の時だと考えられています。

満月から新月までの「欠けていく月の期間」は、エネルギーを出して浄化するパワーが高まっていく時期。発散・デトックス・アウトプット・解毒の時だと考えられています。

月のサイクルを活かす知恵

月の満ち欠けが人体に影響を及ぼすなら、それを活かして暮らせばいい……そこで、月のサイクルを暮らしに活かす知恵が注目されています。

【新月にすべきこと】

リフレッシュと始まりのとき。ゆったりとリラックスして過ごすことが大事です。新しいことを始めるのにも適した時期ですが、頑張り過ぎず無理しないよう心掛けて。疲れを補うような栄養のある食事を摂り、からだを温めて胃腸を整えると良いといわれてます。

【上弦の月にすべきこと】

満月に向かっていくこの時期は、いろいろなものを吸収してエネルギーを蓄えていきます。スポーツや習い事なども身に付きやすいそう。食事の面では、からだに摂り入れたい栄養を積極的に摂ると効率的ですが、食べ過ぎないよう注意しないといけません。

【満月にすべきこと】

月の引力が強まるこの時期は、からだの吸収力が最も高まります。持っている力が増幅されるので、元気な人はさらに元気に、元気のない人はパワーダウン。神経が高まり、積極的になったり、イライラしやすくなったりすることもあるので、自分が好きなことや楽しいと思うことをして過ごすのがおすすめです。食べものはよく吸収してしまうので、からだに良いものを中心に摂ることを心がけます。

【下弦の月にすべきこと】

新月に向かって月が欠けていくこの時期は、心身を浄化するのに適しています。デトックスに向いており、スポーツなどで汗をかき、老廃物を出すとよいでしょう。部屋の整理をしたり、物事を見直す時間を作ってみるのもおすすめです。食事の面では、食物繊維や体内をきれいにするものを摂るとよく、ダイエットにも向いています。

自然のサイクルを上手に組み込んできた日本の暮らし。今の時代にも取り入れられそうですね。

[All Photos by shutterstock.com]

三浦康子

Yasuko Miura/和文化研究家

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで活躍中。「行事育」提唱者。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとる。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、監修書『季節を愉しむ365日』(朝日新聞出版)ほか多数。

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