家でご飯を食べることが多くなっている最近ですから、ご飯を炊く機会も増えました。原宿唯一の米屋を営むお米マイスターに、おいしいご飯の炊き方と、おいしいおにぎりの握り方を教えてもらいました。
昔の常識は非常識?最新の炊き方のコツ!
お米の炊き方を最初に教えてくれたのはお母さんだったという方も多いと思います。または、一人暮らしを始めて自己流でという方も。あれから何年も過ぎて、お米の世界でも技術革新や品種改良が進み、いろいろと進化しているわけですから、当時の常識が今でも正解かどうかというと、必ずしもそうじゃないみたいです。
お米マイスターの小池理雄さんは、原宿で3代続くお米屋さんの御主人。お米マイスターには三ツ星お米マイスターと五ツ星お米マイスターの二つのランクがありますが、小池さんは現在442人しかいない五ツ星お米マイスター認定者のお一人です。
お米マイスターの日々の研究の一つが「おいしい“ごはん”の炊き方のこと」。今回はご飯の炊き方と、炊いたご飯を使ったおにぎりの作り方を教えてくれました。
測り方|スリきりでトントンしない
まずはお米の測り方です。炊飯器に付属している計量カップは180mlで、1合です。市販の計量カップには200mlのものもあるので注意してくださいね。ここで大事なのは正しい量を測ること。お米を計量カップに入れたら、スリきりにします。指をまっすぐにしてカップの上面に盛り上がった分を落とします。
計量カップに取ってからスリきりしてみたのがこちらの画像です。まぁまぁの量のお米が落ちました。
また、お米をいれた計量カップを台に置いて、トントンとお米の隙間をつめて、上に空いた部分にさらにお米を足すという方もいるかもしれません。でもこれはNG。1合を計量カップで測るといった場合には、このプロセスは不要だそうです。お米が既定の量よりも多くなっちゃうんですね。
お米は優しく洗って水は多少濁っていてもOK
「しっかりぐいぐいと、お米同士をよく擦り合わせて、水がすっかりきれいになるまで研ぎなさい」と教わったという方もいるのではないでしょうか。
今の精米技術だと、かなりお米の粒はきれいになっていてぬかが落ちているそうで、力を入れて研ぐ必要はないそうです。お米が割れてしまったりするのを避けるためにも、優しく洗う程度で。そして、水がすっかり透明になるまで研ぐ必要もないそうで、多少濁っていても大丈夫だそうです。
お米を研いだらざるにあげておくといいということはない
「お米を研いだら、まずざるにあげておいて、それから浸水させます」という教えもありますが、ざるにあげるのはよろしくないそうです。お米が乾いてしまって割れてしまうこともあるので、研いだらすぐに水に漬けたほうがいいとのことでした。
炊飯器なら浸水から蒸らしまで任せる
そして、最近の炊飯器は浸水から炊飯後の蒸しまでがプログラムされているということで、研いだらすぐに炊飯器にセットして炊き始めて、炊きあがったらそこから蒸すことなく食べていいそうなんです。
最新の炊飯器を使っているのに、炊飯する前に30分浸水したり、スイッチが切れてから10分蒸らしてみたりといったプロセスはあえて必要がないということです。なんだかこれを教えてもらって、いままでのもやもやが晴れたような気分になりました!
炊いたらおひつで保存する
炊きあがったご飯はおひつに移すと、ご飯の水分をちょうどよく保ってくれるのでおいしさをキープできて、冷めてもおいしいそうです。1万円ほどで購入できるおひつもあるようなので、ちょっと贅沢してもいいかもしれません。上の画像は曲げわっぱのおひつに土鍋で炊いたご飯を入れたところ。ちょっとおこげが見えてます。
おすすめの新しいお米「星空舞」
小池さんが今おすすめしているお米の一つが鳥取県の「星空舞」です。鳥取の気候に合わせて新しく作られた品種。「外硬内軟」という特徴があるそうなんです。外側には粒感があって跳ね返る食感、そして内側はモチっとした食感ということです。
小池さんが準備してくれた「銘柄米食味チャート図」を見ると、この図に記された銘柄の中ではしゃっきり度が一番。その味わいは甘いとさっぱりの真ん中位です。
長い間もっちりで甘いコシヒカリが日本人の嗜好に合っていたのですが、最近はそれに飽きた人たちが、それとは違うお米を好むようになってきたそうです。もっちりじゃなくてしゃっきりな星空舞は、なるほど注目の銘柄です。そして、その特徴を楽しむためには水はちょっと少なめがいいそうですよ。
おにぎりはやさしく握る!
おにぎりは握りすぎないのが大事だそうです。ギューギューと親の仇のように握ったおにぎりが好きという方もいるかもしれませんが、粒立ちがあるご飯なら、優しく握って口の中でほろほろっとほどけていくような食感もぜひ楽しんでみてください。
まずはラップの上にご飯をのせます。塩をふるなら、ラップの上にふっておくと簡単です。
そうしたら、ラップで優しくくるみながら形を作っていきます。かなりほろほろと、粒と粒の間に隙間があるなという印象です。
そしてここから握っていきます。あくまでも優しく、表面が崩れないように形を整える程度でできあがり。
本格的に土鍋で炊くなら6時間浸水!
さて、先ほどは炊飯器に任せて炊くということでしたが、もっとおいしさにこだわるなら土鍋での炊飯がおすすめとのこと。
その場合のコツは、「冷たい水に6時間以上浸水すること」です。温かい水のほうが浸透しそうなイメージがありますが、お米は冷たい水で長時間浸けたほうが、芯まで水が通るのだそうです。はい、時間に余裕があるときならできます。ということでやってみました。
炊きあがって食べてみての第一印象は「初めてのおいしいさ!」でした。粒立ちがはっきりしていて、内側はしっとりともちもちで、一粒ずつがおいしく炊きあがっていました。自宅でこんな風に炊けたのは初めてでした。
さてと、茄子とミョウガの味噌汁に、鳥取名産のすいかの漬物でシンプルにいただきます。こうやってシンプルに食べても、満足感と充実感たっぷりです。毎日こうやって炊くのは大変ですが、なにかおいしいものを丁寧に作って食べたいなというときにまたやってみたいと思います。
ちょっとしたコツで日々のご飯時間をもっとおいしく楽しめますね。
参考
[星空舞 – 鳥取県の新しいお米 (zennoh.or.jp)]
[有限会社 小池精米店]
[All photos by Atsushi Ishiguro]
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石黒アツシ
Atsushi Ishiguro/ライター&フォトグラファー&フードコーディネーター
旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。
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