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倉田直子

POSTED BY ライター/タイニーハウス・ウォッチャー 倉田直子 掲載日: DEC 21ST, 2019.

小さな家の豊かな暮らし【13】ペットのいる暮らし in タイニーハウス

「タイニーハウス」をご存知ですか? 様々なとらえかたがある言葉ですが、だいたい20平方メートル程度の小さな家を意味します。さらに、車でけん引できるモバイルハウスであることも。いま世界中でこのタイニーハウスの愛好者や、タイニーハウス生活を夢見る人々が増えていて、「タイニーハウス・ムーブメント」を巻き起こしています。このシリーズでは、オランダでタイニーハウス生活を営む人々や、素敵なタイニーハウスをご紹介します。

タイニーハウスに住むHellaちゃん
(c)Naoko Kurata

タイニーハウス・ムーブメントのきっかけは、2008年に発生した世界規模の金融危機「リーマン・ショック」だと言われています。この経済危機をきっかけに、「豊かさってなんだろう」「家ってなんだろう」「本当に必要なモノは何?」と多くの人が考えるようになったのです。そこからタイニーハウス生活が注目を浴びるようになりました。必要最低限のものだけを所有し、ローンのいらない小さな家に住む。そんな「小さくても豊かな暮らし」は、欧州オランダにも伝わりました。

今回は、オランダのタイニーハウスの住人たちがどのようにペットと暮らしているかのご紹介です。

 

猫との暮らし in タイニーハウス

お散歩Hellaちゃん
お散歩Hellaちゃん
(c)Naoko Kurata

タイニーハウス住人たちのペットで、一番よく見かけるのが猫です。この黒猫は、オランダのタイニーハウス・ムーブメントのパイオニアであるMarjoleinさんのペットのHellaちゃん。Marjoleinさんが小さな暮らしを始める前からの相棒で、2016年にタイニーハウスに一緒に引っ越してきました。

Marjoleinさんのタイニーハウス
Marjoleinさんのタイニーハウス
(c)Naoko Kurata
タイニーハウスの猫通用口
タイニーハウスの猫通用口
(c)Naoko Kurata

Marjoleinさんは、Hellaちゃんのために通用口を作ってあげています。Marjoleinさんが家のドアを開放している時はそちらから出入りしているHellaちゃんですが、寒い日や夜でも、この通用口があればいつでも散歩に出かけられるすぐれものなのです。外側と中側の両方にフラップ式の扉があるので、断熱効果もしっかりしています。

BernhardさんとMaria さんのタイニーハウス
BernhardさんとMaria さんのタイニーハウス
(c)Naoko Kurata
可愛いキャット・ブリッジ
可愛いキャット・ブリッジ
(c)Naoko Kurata

猫用ファニチャーといえば、こちらも負けていません。「Proeftuin Erasmusveld」というタイニーハウス村に住むBernhardさんとMariaさんは、ペットの2匹の猫のためにこんな可愛いキャット・ブリッジを取り付けています。これなら、猫ちゃんたちもタイニーハウス内のコンパクトなスペースを楽しく動き回れますね!

GerbrandさんとNatasjaさんのタイニーハウス
GerbrandさんとNatasjaさんのタイニーハウス
(c)Naoko Kurata
バスルームに猫トイレ
バスルームに猫トイレ
(c)Naoko Kurata

そして気になる猫トイレの問題ですが、みなさん工夫されているようです。「Tiny Village Kleinhuizen」というタイニーハウス村に住むGerbrandさんとNatasjaさんは、猫トイレをバスルームに設置していました。もちろんご本人たちがシャワーを浴びる時はどかしているのでしょうが、人間用のトイレもあるスペースなので、納得の設置場所です。

タイニーハウスでも工夫次第で猫と快適に同居することは可能なのだと、先人たちの暮らしぶりからうかがえますね。

犬との暮らし in タイニーハウス

KarinさんとGijsbertさんが2人のお子さんと住む家
KarinさんとGijsbertさんが2人のお子さんと住む家
(c)Naoko Kurata
テラスでくつろぐBonoくん
テラスでくつろぐBonoくん
(c)Naoko Kurata

タイニーハウスのペットとして圧倒的に人気なのは猫ですが、犬派の方も存在します。小さなお子さん2人と「Tiny Village Kleinhuizen」に暮らすKarinさんとGijsbertさんご夫妻のタイニーハウスには、犬のBonoくんも一緒に暮らしています。

広々とした「Tiny Village Kleinhuizen」の前のスペース
広々とした「Tiny Village Kleinhuizen」の前のスペース
(c)Naoko Kurata

ただし、Karinさんたちの家の前には、Bonoくんが走り回れる広い敷地が。わんちゃんのサイズにもよるかもしれませんが、ある程度のフリースペースを確保できる環境のほうが犬もハッピーでいられそうですね。

うさぎとの暮らし in タイニーハウス

可愛らしいうさぎと住む人も(画像はイメージです)
(C)Shutterstock.com

少数派ですが、うさぎと住むタイニーハウス住人も。「虹の家」(Regenboog Huis)というタイニーハウスに住むMadeliefさんとYvetteさんは、もふもふした毛皮が愛くるしいうさぎのFudgeちゃんと暮らしています。うさぎには声帯がないので、犬や猫のように大きな鳴き声を発せません(鼻を鳴らす時などに音を発することはあります)。飼い主とペットの距離がどうしても近くなるタイニーハウス暮らしには、うさぎはぴったりのパートナーかもしれませんね。

「小さな暮らし」先駆者たちの、可愛らしいペットとの暮らしをご紹介しました。みなさん、ペットと自分たちがそれぞれ快適にくらせるように工夫されていましたね。ぜひみなさま「タイニーハウス生活 with ペット」の参考になさってください。

[A Photo by Shutterstock.com]

>>>バックナンバーはこちら
【連載】小さな家の豊かな暮らし〜オランダ発 タイニーハウス 〜

倉田直子

Naoko Kurata/ライター/タイニーハウス・ウォッチャー

2004年にライターとしてデビュー。北アフリカのリビア、イギリスのスコットランドでの生活を経て、2015年よりオランダ在住。主にオランダの文化・教育・子育て事情、タイニーハウスを中心とした建築関係について執筆している。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間

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