【毎週日曜12:30配信】映画の中に登場する料理やスイーツ。おいしそうなシーンを見て、無性に「これ食べたい!」と思った経験がある人も多いのでは? この連載では、そんな映画を彩るグルメの妄想レシピをご紹介。あの名作のあの料理はどんな味?どうやって作るの?そんなギモンに応えるべく、筆者が独自に再現します。今回は、「大統領の料理人」から「スクランブルエッグ ポルチーニ添え」にトライ。

料理への拘りと愛情ひしめく映画「大統領の料理人」

フランス大統領官邸史上、唯一の女性シェフ、ダニエル・デルプシュの実話をもとに描いた「大統領の料理人」。主人公は、フランスの片田舎で小さなレストランを営んでいたオルタンス・ラボリ。とある人物の推薦により、ミッテラン大統領の専属料理人に抜擢され、大統領官邸のプライベートキッチンで働き始めます。
しかし厨房は規律に縛られた男社会。嫉妬が渦巻き、ときには先任の料理人たちに意地悪をされることも。そんな逆境の中でもオルタンスは“おいしい”を追求し、奮闘し続けるのです。

「凝りすぎない、シンプルな料理が食べたい」という大統領のリクエストに応えるべく、オルタンスが手がけるは高級料理ではなく、祖母や母親から受け継いだ家庭料理。初日のランチに作ったのは、スクランブルエッグのポルチーニ添え、サーモンのファルシ、“おばあちゃんのクリーム”を絞ったサントノレ。それらはすべてフランスの家庭で親しまれてきた、郷土の味です。
オルタンスの料理に満足した大統領は、彼女と面会した際にこう伝えます。「あのポルチーニのスクランブルエッグように、祖母の味さえあれば私は幸せだ」と。
ミッテラン元大統領を唸らせた「スクランブルエッグ ポルチーニ添え」

そんなフランス大統領の胃袋を掴んだひと皿。果たしてどんな味なのでしょうか。日本で入手できる材料を使って再現してみましょう。主な材料は下記の通り。映画では生ポルチーニが登場しますが、今回は乾燥タイプで代用。マッシュルームをプラスして、食感を楽しみます。
材料(1人分)
- 乾燥ポルチーニ 10g
- ブラウンマッシュルーム 5個
- イタリアンパセリ 適量
- 玉子 2個
- 生クリーム 大さじ1
- バター 15g
- オリーブオイル 適量
- 塩胡椒 適量
作り方

まず乾燥ポルチーニを水で戻します。マッシュルームは縦半分にカット。

熱したフライパンにオリーブオイルを少々加え、マッシュルームを炒めていきます。

マッシュルームに火が通ったら、戻したポルチーニと戻し汁大さじ1を加え炒めます。塩胡椒で味を整え、イタリアンパセリを散らしたら完成。

続いてスクランブルエッグ。映画では本格的な湯煎鍋が使用されていましたが、今回は2つの鍋を使って作ります。まず大きめの鍋に水をたっぷり入れて沸かしましょう。

片手鍋に玉子、生クリーム、小さくカットしたバター、塩胡椒を加え、泡立てないようにミックス。鍋を沸騰している湯にのせます。

外側が固まり始めたら、ゴムべらで内側に向かってゆっくり混ぜていきます。この作業を何度か繰り返していきましょう。

鍋の素材や大きさにもよりますが、筆者の場合は5分くらいでこの程度のとろみ具合に。ここからは数秒の差で仕上りが大きく変わってくるため、理想の状態の少し手前で止めるのがおすすめ。

ソテーしたきのこと、スクラブルエッグを皿に盛ればできあがり。ポルチーニの戻し汁をマッシュルームに吸収させることで、香り、味ともに生ポルチーニらしい様相に。

湯煎でじっくり火入れしたスクランブルエッグは、絶妙なまでとろ〜り滑らか。材料は同じながら、フライパンで作るときよりもぐっと濃厚な仕上がりに。なんとなく“朝ごはん”というイメージが強いスクランブルエッグですが、このリッチ感ならばランチやディナーの立派な一品になりそうです。
食通として知られるミッテラン元大統領を唸らせた、“おばあちゃんの味”。素朴ながら究極の玉子料理を作って、グルメトリップ気分を楽しんでみてはいかが?
[Photos by Nao]
※レシピは公式のものではなく、筆者が独自に再現したレシピになります。映画の内容については注意の上執筆しておりますが、事実と異なる部分がある場合にはご一報(info@iemone.jp)いただけますと幸いです。
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Nao
nao/ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。 学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。 特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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