ゴーヤは夏を代表する沖縄の伝統野菜。家庭菜園でも作りやすく、近年では日よけの「緑のカーテン」に活用されることも増えたため、全国的に身近な野菜になりました。栄養価が高く、食欲増進作用も期待できるので、夏バテ予防として積極的に取り入れたい野菜ですが、ゴーヤの特徴でもある苦味が苦手な人も多いのではないでしょうか? 苦味が少ないゴーヤの選び方や苦味取りの方法、苦味を抑える冷凍保存法などを覚えて、ゴーヤ料理を楽しみましょう。
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【特徴】沖縄の伝統野菜。ゴツゴツしたイボと独特の苦みが特徴
ゴーヤはウリ科ツルレイシ属の野菜で、原産は東インドなどの東南アジア。日本には15世紀頃に中国から沖縄県に伝わったとされています。全国に広まったのは1990年代になってから。栽培しやすいため家庭菜園でも人気で、近年では「緑のカーテン」としても活用されています。
ゴーヤという呼び名は沖縄県で使われている名称で、和名は「ツルレイシ」「ニガウリ」。ゴツゴツとしたイボと独特の苦味が特徴です。沖縄の伝統野菜で、収穫量が一番多いのも沖縄県。多く出回るのは6〜9月です。
緑色のものが一般的ですが、これは熟す前の状態で収穫しているから。熟してくると皮は黄色になり、そのうち皮が破れて赤いゼリーに覆われた種が飛び出してきます。完熟した黄色いゴーヤは苦味がマイルドで、食感もやわらかめ。赤いゼリー部分は甘みがあり、食べられます。
また、最近では苦味が少なく生食に向いた「白ゴーヤ(サラダゴーヤ)」という皮が白い品種もあります。
【選び方】緑色が濃く、イボがぎっしり詰まっているもの
緑色が全体的に濃く鮮やかで、変色していないものが良品。イボがぎっしり詰まって、ツヤやみずみずしさがあるもの、持ったときにずっしりと重みがあるものを選びましょう。
イボが潰れているもの、先端が枯れているもの、傷があるものは避けたほうが無難です。
ただ、緑色が濃く、イボが小さくて詰まっているものは、苦味が強いとも言われています。苦味が苦手な方は、緑色の薄いもの、イボが大きく密集していないものを選んでみてもいいかもしれません。
白ゴーヤは、丸いイボが均一についているものを選びましょう。
【保存】種とワタを除けば、野菜室で1週間保存可能
2〜3日で使うなら、新聞紙やペーパータオルで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存してOK。さらに日持ちさせたいときは、ゴーヤを縦半分に切って種とワタを取り出し、ラップで包んでから野菜室で保存すれば、1週間程度保存できます。
冷凍保存も可能です。「生のまま」と「茹でてから」の2通りの冷凍保存方法がありますが、ゴーヤの苦味を楽しみたいなら生のまま、苦みを和らげたいなら茹でてから冷凍するのがおすすめです。
生のまま冷凍するときは、ゴーヤを縦半分に切って種とワタを取り出し、5〜8mm厚さにスライス。冷凍用保存袋に平らに入れて冷凍します。
茹でてから冷凍するときは、生と同じ手順でスライスしたゴーヤをかために茹で、水気をよく拭き取り、冷凍用保存袋に平らに入れて冷凍しましょう。どちらの方法でも約1カ月保存可能です。
生のまま冷凍したものを使うときは、凍ったままフライパンに入れて炒め物にしたり、茹でで和え物やおひたしにしたりしてもGOOD。
茹でてから冷凍したものは、自然解凍して水気を絞り、和え物やおひたしにするといいでしょう。凍ったままスムージーに使うのも便利です。
【栄養・効果】ビタミンCが豊富。食欲増進作用もあるので、夏バテ予防に
ゴーヤの可食部100gあたりのエネルギーは15kcal。
βカロテンが多くないので緑黄色野菜ではありませんが、カリウムやマグネシウムなどを含み、栄養価の高い夏野菜です。なかでもビタミンCが豊富で、かたい皮のおかげで加熱しても損失が少ないのが特徴です。
また、ゴーヤの苦味成分「モモルデシン」には抗酸化作用などがあり、胃の粘膜の保護、食欲増進、血圧や血糖値を下げる効果が期待できます。夏バテ予防にぜひ取り入れたいですね。
【食べ方】チャンプルや佃煮がおすすめ。苦味取りには塩もみを
ゴーヤはアジア諸国で広く食され、炒め物やサラダにしたり、カレーやスープに入れたりして楽しまれています。
代表的なメニューはゴーヤチャンプル。「チャンプル」は沖縄の方言で「ごちゃまぜ」という意味で、ゴーヤ、豆腐、豚肉などを一緒に炒めた沖縄の郷土料理です。
副菜では、佃煮にするのもおすすめ。ゴーヤをスライスしてさっと茹で、別の鍋でしょうゆ、砂糖、酢を沸騰させたらゴーヤを加え、汁気がなくなるまで煮詰めます。仕上げに白ごまやかつお節を混ぜ合わせればできあがりです。
ご飯のお供にそのままいただいてもいいのですが、おにぎりの具にしたり、冷ややっこのトッピングにしたりと、さまざまな食べ方を楽しめます。
ゴーヤは苦味が魅力ではありますが、苦手な方もいますよね。苦味取りには、薄くスライスして塩もみするか、さっと熱湯をかけるといいですよ。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
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はな
hana/編集/ライター
コーヒーチェーン副店長から編集の道へ。現在は保育園児の母とフリーランス編集者の2足のわらじを履く、なんちゃってワーキングマザー。スポーツ観戦が生活の一部で、贔屓チームの勝敗が体調に影響を及ぼす厄介な体質。ワールドカップの日本開催を機にラグビーも勉強中。
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