CATEGORY

石黒アツシ

POSTED BY ライター&フォトグラファー&フードコーディネーター 石黒アツシ 掲載日: DEC 26TH, 2019.

「cihoben」の山本千織さんに聞くおせちの1品とお弁当のヒント

「chioben」で人気の山本千織さんがおせち料理を一品、そして普段のお弁当作りに役立つヒントも教えてくれました。これを知ったら自分のお弁当に活かせるはずです。実際に山本さんがお弁当を盛り付けながら教えてくれるイベント「chioben こめ油を使った簡単おせち弁当」にでかけて、いろいろお話を伺いました。

今回教えていただいたのは「蕪と柿の山椒香味油和え」です。豪華なお弁当の中にほんのり明るさをプラスしているこの料理のレシピと、使っているこめ油についてもご紹介します。

山本さんのお弁当を作るヒント

北海道出身の山本さんは12年間地元札幌で料理の仕事をしたのち、2011年に東京・代々木上原に拠点を移動。山本さんの作るお弁当「chioben」は、瞬く間に女優やモデルの間で人気が沸騰して、そのおいしさが話題になります。今回はお弁当を実際に盛り付けながら、いろいろお弁当にまつわる話をしてくれました。

仕切りを付けないで盛り付ける

代々木上原のバーで、営業していない昼の間に場所を借りることになった山本さん。バーですから食器が十分あるわけではなかったので、ワンプレートランチを弁当箱に盛り付けていたそうです。その後、そのお弁当を撮影現場に仕出しするようになったときも、そのままワンプレート式に。仕切りのないフリーなスタイルは、こうして生まれたんですね。

野菜の水けをしっかり切る

お弁当に大事なのは「水けを切る」こと。おかずの一つから水気が出ると他のおかずにも悪い影響が出てしまいます。そのためにはまず、野菜には塩をふって水分を出してしっかり絞ります。それから塩などの調味料とオイルで味付け。これ、かなり大事なようで、キッチンではいつもスタッフのみなさんと水が切れているかを確認するそうです。

彩りのコツは「黄色と白」を上手に使うこと

山本さんのお弁当は鮮やかな色が魅力の一つ。そのポイントは、「黄色と白」を上手に使うことだそうです。「唐揚げ、コロッケ、肉団子などの揚げ物などの茶色がメインになることが多くて、それだけでは茶色になりますが、その茶色に映える黄色と白を加えると、一気に明るく。そこに緑色を差していくときれいに仕上がりますよ」とコツを教えてくれました。

お弁当の彩りというと、ミニトマトが思い浮かぶ人も多いと思いますが、「ミニトマトを入れると幼い印象になってしまう」とのこと。

お弁当の素材を「固形化」する

例えば、ご飯をはまぐりの貝殻に詰めたり、小さなみかんの中身をくりぬいて和え物を詰めたり。たくさんの数のお弁当を作るときは特に、おかずを「固形化」することで、数を管理しやすくなるのだそう。私たちはそこまで大量のお弁当を作る機会は中々ないですが、アイデアあふれる器に入ったおかずは、見た目にもワクワクしますよね。

お弁当箱の中に、おかずの番地を決めておく

お弁当箱のどこにメインを入れて、どこにサイドメニューを入れるといったように、あらかじめだいたい場所を決めておくといいそうです。お弁当箱の中に、おかずの番地を決めておくといったイメージ。

なるほど、こうすれば詰めるときにゼロから迷うことはなくなるというわけですね。おかずを作るときも、大きさや切り方、量など、無駄なく準備することができそうです。

味のバランスに気を付ける

お弁当の中に似たような調理法のおかずや味付けのおかずが並ぶよりは、やはりいろんなバリエーションがあるほうが華やかになりますよね。例えば、魚と肉を入れるなら一つは揚げ物、もう一方は焼き物にするとか、酢は味の印象が強いのでどちらかに酢をつかったら、他には使わないとか。味も、見た目にもメリハリがついたおかずが並べば、ワクワク感が増します。

おせちに一品「蕪と柿の山椒香味油和え」レシピ

今回教えていただいたレシピがこちら。冬においしい蕪と柿を使った和え物です。白とオレンジ色が鮮やかな一品。

材料:2、3人分

  • 蕪・・・・・・ 1個
  • 柿 硬め・・・ 1個
  • 塩・・・・・・・小さじ1/4
  • 山椒香味油・・・小さじ2
  • 藻塩・・・・・・少々

作り方:
1.蕪は3ミリ厚の放射線状にスライスして塩をして10分から15分放置し、水気を出す。
2.柿は硬めのものを選び蕪と同じくらいの大きさにカット。
3.1の水けをペーパーやタオルなどでしっかりふきとる。
4.2と3をボールに入れ山椒香味油と藻塩で和える。

山本さんが出会ったこめ油がすごい!

今回使った「山椒香味油」は、和歌山県の築野食品工業の製品。なんと玄米の総重量の1%しかとれないという貴重な「こめ油」を使って、和歌山産の「ぶどう山椒」を使用したもの。ピリリと刺激がありながらも爽やかな香りで、サラッとしたタイプです。

このこめ油、和え物にしても食材のおいしさが引き立つし、冷めてもおいしさそのまま、栄養成分も豊富といいいますから、かなりよくできた油ですよね。唯一の国産原料で作られる植物油でもあります。山本さんは以前からこめ油を使っているそう。料理人で使う人も増えているそうですよ。

というわけで、日々のお弁当作りに、そしておせちの簡単な一品まで、いろいろためになりました。

こめ油(米油)500g 国産食用油 432 円(税込)
山椒香味油(ぶどう山椒 オイル) 97g 972 円(税込)
完熟山椒香味油(ぶどう山椒 オイル) 97g 1,188 円(税込)
>>>オンラインショッピングはこちら
[楽天] [Amazon]

築野食品工業株式会社
https://www.tsuno.jp

「chioben」について
個人の方への販売やアトリエでの受け渡しは行なっておりません。月に一回、神宮前ユトレヒトにて「マンスリーチオベン」販売がございます。その他イベントでの販売などについては、2020年1月オープンの以下HPや、インスタグラムにて。
>>>chiobenHP (2020年1月オープン。イベントや物販の情報を見ることができます)
>>>Instagram
>>>ユトレヒトHP

[All Photos by Atsushi Ishiguro]

>>>「ラ・メール・プラール」直伝!スフレオムレツのコツを教えてもらったよ

>>>【ヨーロッパ食材×日本食】驚きのおいしいアイデア10選。パーティーもね

石黒アツシ

Atsushi Ishiguro/ライター&フォトグラファー&フードコーディネーター

旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。

関連するカテゴリの記事を読む

RECOMMENDおすすめ記事

レシピ/献立の記事