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POSTED BY 編集/ライター 片桐仁香 掲載日: OCT 9TH, 2022.

ブドウの種類は?おいしい品種や保存方法・栄養も【専門家監修】

秋にぜひ味わいたい果物の一つ、ブドウ。ひと口に「ブドウ」と言っても、国内栽培だけで100種類以上。色も、粒の形も、大きさも、味もさまざまです。「シャインマスカット」や「ナガノパープル」だけでなく、マイナーでもおいしい品種がたくさん!  主なブドウの品種、ちょっとマイナーでもおすすめの品種、保存方法、栄養素などを紹介しましょう。

【特徴】世界的にはワインの原料、日本では生食が多い

ブドウは、ブドウ科ブドウ属の植物で、原産地は中央アジア。乾燥した土地でも育ちやすく、ワインの原料にもなるため、古くから愛されてきました。栽培の様子は古代エジプトの壁画にも描かれているほどです。

日本には奈良時代にシルクロードを経て唐(中国)から伝来。由来には諸説ありますが、現在の山梨県甲州市(旧:勝沼町)にもたらされたようです。その後、鎌倉時代には今も存在する品種「甲州」が栽培されるようになりました。

世界で生産されるぶどうの7割はワインの原料用とされますが、日本ではそのまま食べる品種が圧倒的に人気で、約9割が生食用です。

生食では食べやすい「種なし」が人気ですが、種なしの品種があるわけではありません。種がある品種の花が咲いたときに、その房ごと「ジベレリン」というホルモン溶液に浸すことで、種が育たないようにしているのです。ジベレリンはもともと植物が持っているホルモンで、安全性が確認されています。

ブドウの主な産地は山梨県、長野県、山形県、岡山県など。旬は8月下旬〜9月で、国産品が少ない時期には輸入ブドウが店頭に並びます。

【主な品種】令和のダントツ人気はシャインマスカット

ブドウは品種が非常に多く、世界で1万種以上も存在するそう。日本でも品種改良が盛んで、現在商業栽培されているのは50〜60種、マイナーな品種も含めると軽く100種類以上あると言われます。

数多い品種のなかでもここ数年ダントツ人気なのが「シャインマスカット」。糖度が高く、香りがよくておいしいことに加え、種なし・大粒・皮ごと食べられるというのも人気の理由です。粒が落ちにくく日持ちするので、流通させやすいという、販売面の利点もあります。

ブドウを色で大別すると、黒系、赤系、黄緑系(白系)の3つ。色は、皮に含まれる青紫色の天然色素「アントシアニン」(ポリフェノールの一種)の量が影響しています。

■黒系:甘さと酸味のバランスがよく、濃厚な味わいの品種が多い

巨峰…日本を代表する主要品種。糖度は17〜18度。ピオーネやナガノパープルの親。

ピオーネ…ボリューム感のある大粒でジューシー。贈答品としても人気。

ナガノパープル…長野県生まれ。大粒でジューシー、皮ごと食べられるため人気急上昇中。

スチューベン…冬に出回る国産品種。小粒だが甘味はハチミツに似て濃厚。

■赤系:甘みが強くおいしい品種が多いが、栽培が難しく流通は少なめ

甲斐路…山梨県生まれ。粒は長楕円形で、糖度は18〜20度。平成時代に人気が出た品種で、スーパーでも入手しやすい。

クイーンニーナ…大粒で酸味が少なく、糖度は21度ほどにもなる。やや硬めの果肉でジューシー。

ルビーロマン…石川県生まれ。高級品種で、旬の時期でも1房1万円ほど。2022年の初セリでは1房150万円がついた。

■黄緑系:白ブドウとも呼ばれ、上品な食味の品種が多い

シャインマスカット…2006年に登録された比較的新しい品種だが、人気急上昇で2022年には作付面積トップに。糖度は18〜20度。

瀬戸ジャイアンツ…岡山県生まれ。粒は3つのシャボン玉がくっついたような可愛らしい形。皮ごと食べられ、とてもみずみずしい。

上記ほどメジャーではなくても、おいしい&楽しい品種はたくさんあります。

  • 真っ赤なハート型でお祝い事にぴったりの「マイハート」
  • 小さなバナナの形をしていて熟すと黄色くなる「バナナ」
  • 細長く、女性の赤い爪を思わせる「マニィキュアフィンガー」
  • 長径4〜5cmにもなる巨大粒で、皮ごと食べられる「雄宝(ゆうほう)」
  • 1房10kgになった記録もあるという世界最大の「ネヘレスコール」

など。

こうした珍しい品種は、生産量が少ない、粒が落ちやすいなどの理由で、スーパーなどにはほぼ流通しません。

【選び方】表面の白い粉(ブルーム)は新鮮さの証拠

ブドウは新鮮なものを選びましょう。軸は緑色で太くて、枯れていないものが新鮮。粒がふっくらと膨らんでいて表面にハリがあり、大きさがそろっているものが良品です。古くなって粒が落ちているもの、傷みがあるものは避けましょう。

表面が白い粉「ブルーム」で覆われているのも新鮮な証拠。ブルームはブドウから出ている天然成分で、残留農薬ではありません。成分は脂肪酸などで、雨露をはじいて病気を防いだり、実の水分蒸発を防いだりしている大切なものです。無害なので、食べるときも洗い落とす必要はありません。

黒系や赤系は色が濃いもの、黄緑系は色が鮮やかなものが甘いでしょう。ちなみに黄緑系のシャインマスカットは、熟すほど黄色っぽくなって甘みが強くなりますが、香りは弱まり、皮はやや硬くなります。

【保存】冷蔵も冷凍もOK。長期保存ならジャムにしても

ブドウは常温で保存できますが、温度が高いと傷みやすくなります。その日のうちに食べない場合は、ポリ袋に入れて冷暗所や冷蔵庫の野菜室で保存してください。品種によって保存期間は異なりますが、2〜3日を目安に、できるだけ早く食べきるようにしましょう。

食べるときは20〜30分前に冷蔵庫から出して常温に戻すと、より甘味を感じやすくなります。

食べきれないときは冷凍保存を。キッチンバサミを使い、軸を1〜2mm残して1粒ずつ切り離します。水洗いしたら、キッチンペーパーで1粒ずつしっかり水気を拭き取り、冷凍用保存袋に平らに並べましょう。袋の中の空気をしっかり抜いたら冷凍庫へ。冷凍で2週間ほど持ちます。

食べるときは冷蔵庫で半解凍にして食べましょう。ミキサーにかけてジュースにしたり、ヨーグルトに加えたりしてもおいしいですよ。

大量に入手したときは、ジャムにして長期保存するのもおすすめです。

【栄養・効果】脳のエネルギーにもなるブドウ糖がたっぷり

ブドウのエネルギーは可食部100gあたり、皮ありで69kcal、皮なしで58kcal。1房300gの巨峰の場合、だいたい150kcalくらいになります。

ブドウには、身体に吸収されやすい「ブドウ糖」や「果糖」などの糖質が多く、疲労回復にぴったり。ブドウ糖は脳のエネルギーにもなります。ちなみにブドウ糖とは「グルコース」のことで、ブドウから発見されたため、日本語ではブドウ糖と呼ばれるそうです。

黒系や赤系のブドウの皮には、ポリフェノールの一種「アントシアニン」も豊富。動脈硬化予防や、目の疲労回復の効果が期待できます。

また、ナガノパープルなど黒系ブドウには、アミノ酸の一種で、血圧上昇を抑えるとされるGABA(ギャバ)も含まれています。

監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。


栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。

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片桐仁香

Hitoka Katagiri/編集/ライター

CM制作会社を経て、2000年より編集プロダクション勤務。主に、ライフスタイル、料理、子育て、共働き、ダイバーシティなどのジャンルを担当。2人目の出産を機に2018年からフリー。元来の性格がスボラでナマケモノなので、時短ネタや便利ワザを探すのが好き。

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