赤、黄、オレンジなど色鮮やかで、料理に彩りを添えるパプリカ。ジューシーな食感と果物のような甘みも魅力です。栄養面では、美肌効果や免疫力アップが期待できる「ビタミンエース(ACE)」を多く含んでいて、ぜひ日常的に取り入れたい野菜です。この記事では、パプリカの冷蔵や冷凍での保存方法、切り方、調理のコツ、栄養素の効率的な摂り方などについて紹介します。
【特徴】大型で肉厚なピーマンの一種。輸入が多いが国産も増加中
パプリカはナス科トウガラシ属の野菜で、辛みのない大型トウガラシの一種。ピーマンの品種の一つとされ、ピーマンよりも大型で肉厚なものをパプリカと呼びます。
中南米原産のトウガラシが大航海時代にヨーロッパに伝わり、ハンガリーで甘く肉厚に品種改良されたものがパプリカです。日本へは1990年代にオランダから輸入され、広く流通するようになりました。
現在は韓国、オランダ、ニュージーランドからの輸入に加え、全国各地での生産も増加しています。輸入ものは1年通して手に入りますが、国産は6〜9月ごろが旬です。
【選び方】ツヤとハリがあり、肉厚で弾力があるもの
肉厚で弾力があるものが良品。同じ大きさなら、手で持ったときに重く感じるほうが肉厚です。皮の色は濃く鮮やかで、表面にツヤとハリがあるみずみずしいものを選んでください。
ヘタのまわりが変色しているもの、皮にしわのあるものは、鮮度が落ちているので避けましょう。
【保存】冷蔵も冷凍も、水気を拭き取るのがポイント
パプリカは水気に弱いので、表面についた水をしっかり拭き取り、1個ずつペーパータオルで包んでからポリ袋に入れて野菜室へ。1週間程度保存可能です。
使いかけのものは傷みやすいので、ヘタと種を取り除いてピッタリとラップしてから保存を。2〜3日を目安に使い切るようにしてください。
もっと日持ちさせたいときは冷凍保存を。パプリカを洗ってヘタと種を取り除き、水分をしっかり拭き取ります。使いやすい大きさにカットし、冷凍用保存袋に平らに入れて冷凍庫へ。約1カ月保存可能です。
炒め物や煮込み料理、スープなどに使うときは、凍ったまま鍋などに入れて加熱調理を。サラダの彩りに使うときは、自然解凍してから使いましょう。
【食べ方】加熱調理で甘みがアップ!マリネも加熱してから漬けよう
パプリカの特徴は、肉厚でジューシーな食感や果物のような甘み。生のままサラダなどでも食べられますが、甘みは加熱するとさらに引き立つので、グリルで素焼きにしたり、炒め物や煮物に加えたり、蒸し野菜にしたりしてみましょう。
マリネやピクルスを作るときも、生のままより加熱してから漬けたほうが味も染み込みやすくなるのでおすすめ。マリネならグリルやフライパンで焼くか電子レンジで加熱、ピクルスならさっと茹でてから漬けてみてください。
【切り方】料理に使いやすいのは細切り・くし切り・乱切り
パプリカは鮮やかな色で、料理の彩りが良くなるのもうれしいところ。さらに、切り方を工夫するとより食卓が華やぎますよ。メニューに合わせた切り方を試してみてくださいね。
■細切り
縦半分に切ったパプリカを、縦に5mm幅くらいに切ります。火の通りが早くなるので、炒め物やパスタなどに。サラダなどの生食にする場合はもっと細く(1〜2mm幅)に切っても良いでしょう。
■くし切り
縦半分に切ったパプリカの切り口を上にして、角度を変えながら1cm幅くらいに切ります。細切りよりも歯触りを楽しめるので、ピクルスやマリネにおすすめ。
■乱切り
縦1/4〜1/6に切ったパプリカを、ひと口大になるように角度を変えながら斜めに切ります。食感に加え、面が広いので存在感もアップ。煮込み料理やマリネに向いています。
【栄養・効果】ビタミン「ACE」が豊富。美肌効果や免疫力アップに
パプリカの可食部100gあたりのエネルギーは、赤、黄ともに28kcalです。
「ビタミンエース(ACE)」と呼ばれるビタミンA(βカロテン)、ビタミンC、ビタミンEが豊富。ビタミンエースは相乗効果によって高い抗酸化作用が生まれ、美肌効果や老化予防、免疫力アップが期待できます。
パプリカのビタミンCは加熱調理しても損失が少ないのが特長。βカロテンは油で調理すると吸収が高まるので、効率よく摂取するなら油を使った加熱調理がおすすめです。
赤パプリカはβカロテンが特に多く含まれていて緑黄色野菜に分類されますが、黄パプリカは淡色野菜です。
赤、黄それぞれの色素成分にも特徴があります。赤パプリカの色素成分「カプサンチン」には抗酸化作用によるがん予防効果が、黄パプリカの「ゼアキサンチン」には目の粘膜を保護する働きがあるとされています。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
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はな
hana/編集/ライター
コーヒーチェーン副店長から編集の道へ。現在は保育園児の母とフリーランス編集者の2足のわらじを履く、なんちゃってワーキングマザー。スポーツ観戦が生活の一部で、贔屓チームの勝敗が体調に影響を及ぼす厄介な体質。ワールドカップの日本開催を機にラグビーも勉強中。
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