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中山秀明

POSTED BY ライター/編集/フードアナリスト 中山秀明 掲載日: JAN 8TH, 2021.

【食のプロが食べ比べ】スパイスカレ-入門にも最適。名店監修レトルトを比較

ブームとともに広がりをみせているスパイスカレー。明確な定義こそありませんが、小麦粉によるカレー粉やルウを使わないことが一つの特徴です。ただ、ルウを使わずに家でカレーを作るのは難しいという人もいるでしょう。そこでおすすめなのがレトルトタイプ。今回は有名店が監修している商品を5つ集めて食べ比べてみました。ぜひ参考にしてみてください。

名店監修の中から、スパイスに特徴のあるレトルトカレーを食べ比べました
名店監修の中から、スパイスに特徴のあるレトルトカレーを食べ比べました

 

外せない一軒といえばここ。「旧ヤム邸」

昨今のスパイスカレーは大阪発祥ですが、その食文化を東京に持ち込んだ先駆者といえるのが「旧ヤム邸」です。2017年に東京1号店を下北沢に、2020年には六本木ヒルズに2号店をオープンし、新旧のカレーファンを魅了しています。

ハウス 選ばれし人気店 牛豚キーマカレー。税抜278円

「旧ヤム邸」の持ち味である和ダシが香り、そのあとにスパイスの余韻がじわっと広がります。キーとなっているのはカルダモンで、ほかにはマスタードシードも。生のスパイスが弾ける感じや、ゴボウとクワイのシャキシャキ食感も秀逸。多彩な味で飽きないおいしさがあります。

>>>旧ヤム邸について詳しくはこちら 大阪スパイスカレーブームの立役者!「旧ヤム邸 シモキタ荘」【東京スパイスカレー特集】

ハウス 選ばれし人気店 牛豚キーマカレー
税抜278円
https://housefoods.jp/products/catalog/cd_1,088410,ret,curry,ninki.html

 

南インドカレーの魅力を広めた業界の良心。「エリックサウス」

「エリックサウス」は厳密には南インド料理店ですが、スパイスカレーの有名店主を輩出しているなど、文化の発展を語るには欠かせない名店(老舗レジェンドに麹町の「アジャンタ」などもあります)です。また、濃厚なカレーソースとナン以外にもインドには素晴らしいカレーがあるということを、わかりやすく打ち出した店としても、その功績は計り知れません。

噂の名店 南インド風チキンカレー お店の中辛。税抜278円

味はマスタードシードを中心に、複雑性のあるスパイス感が絶妙です。トマトや玉ネギのグレイビーさはありながらも甘味は控えめで、その分塩味が前に来る印象。南インド系のレトルトチキンカレーとしては、きわめて高い完成度 だと思います。

噂の名店 南インド風チキンカレー お店の中辛
税抜278円
https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/16384.html

 

日本におけるインドカレーの元祖。「新宿中村屋」

「エリックサウス」が南インドカレーの重要店だとしたら、そもそも日本におけるインドカレーの元祖といえば「新宿中村屋」(豆知識としては、クリームパンの元祖もここ)。レトルトも数種展開している中、個人的に最も同店らしく、そしてスパイスフルだと思うのが「インドカリー 辛さ突きぬけるグリルチキン」です。

インドカリー 辛さ突きぬけるグリルチキン。税抜304円

ホールの唐辛子とビンダルペーストを使って辛さとうまみを訴求している点は、レトルトを超えているといっていいクオリティの高さ。「新宿中村屋」としての矜持を感じさせる、ホロッとした食感の手羽元、ひよこ豆とレンズ豆によるドロッとしたテクスチャーもナイスです。

インドカリー 辛さ突きぬけるグリルチキン
税抜304円
https://www.nakamuraya.co.jp/products/curry/001/006.html

 

東京を代表する行列スパイスカレー店。「魯珈」

開業からわずか数年で日本屈指の人気カレー店となった、大久保にある「SPICY CURRY 魯珈(ろか)」。実は、店主の齋藤絵理さんは前記「エリックサウス」出身。魯珈のカレーは定番と日替わりの限定があり、その定番の一つがチキンカレーです。

ハウス 選ばれし人気店 芳醇チキンカレー。税抜278円

クミン、マスタードシード、カルダモンなどの複合的な香辛料が魅惑的。最初はマイルドでキャッチーな味わいながら、余韻でジワジワと来る後追いのスパイシー感もたまりません。

>>>魯珈について詳しくはこちら 新鮮なスパイス感が秀逸!SPICY CURRY 魯珈【東京スパイシーカレー特集】

ハウス 選ばれし人気店 芳醇チキンカレー
税抜278円
https://housefoods.jp/products/catalog/cd_1,088623.html

 

洋食の老舗によるまさかのカレー。「たいめいけん」

「タンポポオムライス」で有名な洋食の老舗「たいめいけん」ですが、実はカレーやラーメンなども絶品。お店のカレーは昔ながらのカレーライスですが、レトルトでは個性的なタイプも監修していて、特に攻めているのが今回紹介するこちら。製造は、さまざまなレトルトカレーを手掛ける大阪の「ベル食品」が担当しています。

三代目たいめいけん茂出木浩司シェフ監修 日本橋スパイスカレー 辛黒。税抜298円

パッケージ裏の名称欄には「野菜カレー」とありますが、野菜がとけているのか、具材が入っていません。肉もないので満足度は微妙なところですが、パッケージに「お好みで鶏肉等の具材を入れてお召し上がりください。」と表記されているので、ひと手間かけるタイプのようです。ソースもサラッとしていて好みがわかれそうなレトルトですが、これはおそらく業界では超有名な老舗・デリーの「カシミールカレー」インスパイアだと思います。

味はクミンやカルダモンなどのスパイス感と、ビターテイストが印象的。デリーのようなカラメル感や辛さもしっかりあって独特な味わい。スープカレー好きな人向けの一品だと思います。

三代目たいめいけん茂出木浩司シェフ監修 日本橋スパイスカレー 辛黒
税抜298円
https://www.sudatomo.co.jp/service/food/

カレーは夏のイメージですが、「おせちもいいけどカレーもね!」というキャッチコピーがあるように、冬もおすすめ。刺激的な味わいや香りが特徴のスパイスカレーで、ワンランク上のレトルトライフを!

※イトーヨーカドーで購入。各賞味期限は1年~1年半でした。また、商品名、価格、仕様、品揃え等は変更される場合があります。
[All Photos by Hideaki Nakayama]


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中山秀明

Hideaki Nakayama/ライター/編集/フードアナリスト

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とウェブメディアを中心に編集と撮影を伴う取材執筆を行うほか、TV番組や大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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