カリフラワーは、きれいなオフホワイト色と、クセが少なく食べやすいのが特徴の淡色野菜。形状が似ているブロッコリーと比べて「食べ方や茹で方がよくわからない」「栄養価が低そう」といったイメージがあるかもしれません。ですが、カリフラワーは生でも食べられたり、米飯の代わりにダイエット食に利用できたりと、意外と活用の幅が広め。加熱調理してもビタミンCの損失が少ないという利点もあります。本記事ではカリフラワーの栄養価や食べ方、保存方法などを紹介します。
【特徴】ブロッコリーの突然変異で誕生。食べる部分は花蕾
カリフラワーはアブラナ科の淡色野菜。キャベツやブロッコリーの仲間です。原産は地中海東部で、ブロッコリーが突然変異して白くなったと考えられています。ヨーロッパでは17〜19世紀頃に普及し、その後アジアやアメリカへ伝播しました。
日本へは明治時代初めに伝わりましたが普及せず、食の西洋化に伴って1960年代に需要が増加。しかし、1980年代にブロッコリーが普及すると人気を奪われ、生産量が減ってしまいました。
旬は11〜3月の冬野菜ですが、産地をリレーして周年で流通。主な産地は熊本県、茨城県、愛知県です。
カリフラワーという名前は「キャベツの花」という意味ですが、主に食用としている白い部分は花ではなく、花蕾(からい)と呼ばれる小さなつぼみの集合体。茎部分にも栄養があるので、捨てずに食べましょう。
また、カリフラワーといえば白いものが一般的ですが、近年では他の色の品種も流通しています。
オレンジ色の品種は甘みがあるのが特徴。紫色の品種は加熱すると紫色のままのものと、緑色になるものがあります。また、黄緑色で幾何学的な形状が美しい「ロマネスコ」もカリフラワーの仲間で、イタリアの伝統野菜です。
【選び方】花蕾がかたく、ぎっしり詰まった重みのあるものを
カリフラワーを選ぶときは、まず花蕾をチェック。花蕾がかたく締まり、ぎっしりと詰まっているものが良品です。全体の形はこんもりと丸く、持ったときにずっしりと重いものを選びましょう。
切り口がみずみずしく、茎や葉が鮮やかな緑色のものが新鮮です。
花蕾が開きかけているもの、茶色や黒の斑点があるものは、鮮度が落ちている可能性があるので避けましょう。
【栄養・効果】ビタミンCの加熱損失が少ない。茎も食べて
カリフラワーの可食部100gあたりのエネルギーは28kcal。
免疫力アップや美肌づくりを助けるビタミンC、体内の余分なナトリウムを排出してむくみや高血圧を予防するカリウム、腸内環境を整えて生活習慣病の予防に役立つ食物繊維などが豊富に含まれています。
カリフラワーに含まれるビタミンCは、加熱しても損失が少ないのが特徴。茎にもビタミンCが豊富に含まれているので、捨てずに摂取しましょう。
また、花蕾がオレンジ色のものには抗酸化作用のあるβカロテン、紫色のものには目の健康維持に役立つアントシアニンも含まれています。
【保存】入手した日に調理or茹でてから保存を
カリフラワーは時間が経つと花蕾が開いて変色し、味や栄養価が落ちていきます。入手した日にすぐいただくか、使い切れない場合は茹でてから保存するのがおすすめです。(茹で方は後述します)
茹でたカリフラワーは、冷蔵保存なら3〜4日保存可能。数房ずつちょこちょこ使いたいときは冷蔵が便利です。
4日以内に使い切れない分は冷凍保存しましょう。茹でたカリフラワーの水気をペーパータオルでしっかり拭き取り、冷凍用保存袋に平らに入れて冷凍を。約1か月保存可能です。
サラダに使うときはレンジ解凍を。ピクルスを作るときは凍ったままピクルス液に浸けてOKです。スープやシチューなどの加熱調理には、凍ったまま鍋に入れてください。
また、入手した日に茹でられない場合は、ペーパータオルで全体を包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存を。2日を目安に調理するようにしましょう。
【食べ方】ホットサラダやシチュー、カリフラワーライスにしても
カリフラワーはホクホクとした食感や甘みが特徴。ホットサラダ、シチュー、スープ、ピクルス、炒め物、グラタン、パスタなど、さまざまな料理に活用できます。
また、近年ではカリフラワーを細かく刻んで米飯に見立てる「カリフラワーライス」も、ダイエット食として注目されています。カレーライスのご飯の代わりにしたり、リゾット風に調理したりすると、味や食感が気にならずに食べられます。
ちなみに、新鮮なカリフラワーは生のままでも食べることができます。小房だと食べにくいので薄くスライスし、サラダに加えてみて。加熱したものとは違う、コリコリした食感を楽しめますよ。
【茹で方】丸ごと・酢を加えて・1分
茹でるときのポイントは、「おいしさを閉じ込めて煮崩れを防ぐために、小房に分けずに丸ごと茹でること」と「きれいな白色に仕上げるために、酢か小麦粉を加えること」です。
■カリフラワーの茹で方
1.小房に分かれる手前の太い部分で茎を切り、葉を取り除く。茎は厚めに皮をむき、輪切りや短冊切りなどにする。
2.鍋にカリフラワーがしっかり浸かるくらいの水(1.5〜2リットル)を沸騰させ、塩(大さじ1)、酢(大さじ1/2)を加え、カリフラワーは切り口を下にして入れる。1分ほど茹で、上下を返してさらに1分ほど茹でる。酢がないときは代わりに小麦粉(小さじ1)を加える。
3.カリフラワーをザルに上げる。水にさらすと旨みや栄養素が流れ出てしまうので、そのまま自然に冷ます。粗熱が取れたら小房に分ける。
手早く茹でたいときは、小房に分けてからフライパンで蒸し茹でにしたり、電子レンジで加熱したりするのでもOK。予熱でも火が通るので、少しかために感じるくらいでザルに上げるといいですよ。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
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はな
hana/編集/ライター
コーヒーチェーン副店長から編集の道へ。現在は保育園児の母とフリーランス編集者の2足のわらじを履く、なんちゃってワーキングマザー。スポーツ観戦が生活の一部で、贔屓チームの勝敗が体調に影響を及ぼす厄介な体質。ワールドカップの日本開催を機にラグビーも勉強中。
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