イチジクの魅力は、なめらかでやわらかな食感と程よい甘酸っぱさ。整腸作用や美肌効果が期待できる食物繊維も豊富です。皮は手で簡単にむけるのでそのまま食べてもいいですし、生ハムやチーズと合わせておつまみにするのもおすすめ。旬の8〜11月に出合えたら、ぜひおいしくいただきましょう。この記事では、イチジクの食べ方や栄養価、保存方法などを紹介します。
【特徴】旬は8〜11月。中央の凹んだ部分が花
イチジクはクワ科の果物で、アラビア半島が原産。旧約聖書に登場するアダムとイブが身に着けていたのがイチジクの葉であることなどから、古くから栽培されていたと考えられています。
日本へは江戸時代に中国から伝来。当初は薬用にされていましたが、生産量が増えて食用になっていきました。近年生産が盛んなのは和歌山県、愛知県、大阪府など。旬は8〜11月です。
イチジクは漢字で「無花果」と書きますが、花がないわけではありません。じつは中央のつぶれて凹んでいる部分が花。花が外から見えないまま実をつけたようになるため、このような漢字が当てられたとされています。
【選び方】ふっくらと形がよく、ハリのあるものを
ふっくらとして形のよいもの、果皮にハリがあるものが良品。皮がしなびていないか、傷がついていないかも確認しましょう。実はやわらかく、力を加えると傷んでしまうので優しく扱ってください。
おしりの部分が開くと完熟の目安になるため、すぐに食べるなら開きかけのものを選んで。大きく裂けているものは熟しすぎている可能性があるので避けましょう。
【保存】2〜3日で食べ切れなければ冷凍保存を
イチジクは傷みやすいので、できれば購入日にいただくのがベスト。購入日に食べられない場合は乾燥を防ぐためにポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存を。2〜3日を目安に食べ切るようにしてください。
長期保存したい場合は、冷凍も可能です。イチジクを水洗いして水気を拭き取り、1つずつラップをしてから数個まとめて冷凍用保存袋へ。約1カ月保存可能です。
食べるときは、流水に当てながら皮をはがすときれいにむけます。5分ほど自然解凍するとシャーベット感覚でいただけます。
皮をむいて半解凍のままジャムや甘露煮、コンポートにしてもいいでしょう。冷凍すると食感が変わってしまうので、サラダなどには向きません。
【栄養・効果】整腸作用や美肌効果、高血圧予防に
イチジクの可食部100gあたりのエネルギーは57kcal。整腸作用や美肌効果のある水溶性食物繊維ペクチン、余分なナトリウムを排出して高血圧予防に役立つカリウムが特に豊富です。
赤い色素「アントシアニン」はポリフェノールの一種で、アンチエイジングの他、目の健康を保つことにも役立ちます。
また、「フィシン」というたんぱく質分解酵素は消化を助ける作用があるため、食後のデザートにぴったり。フィシンは熱に弱いので、効果を得るには生で食べましょう。
【食べ方】皮は手でむける。デザートやおつまみにも
イチジクは皮をむいてそのまま食べるのが手軽。実も皮もやわらかいので、手で簡単にむけますよ。
要領は玉ねぎの皮のむき方と同じ。先端の軸の部分からお尻に向かって、ゆっくりと皮を引き下ろすようにむいてください。手できれいにむけない部分があれば、包丁を使ってもOKです。
また、イチジクは生ハムやチーズと相性抜群。イチジクの甘みと生ハムやチーズの塩気のハーモニーが絶妙です。
ルッコラやブロッコリースプラウト、バジルなど風味に特徴のある野菜のサラダにイチジクを加えると、いつもと違ったサラダに。バルサミコ酢やお好みのドレッシングと合わせていただてみてください。
大量に入手したときは、ジャムや甘露煮、コンポートに加工して保存を。ケーキや焼き菓子、ヨーグルトなどに加えて楽しみましょう。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
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はな
hana/編集/ライター
コーヒーチェーン副店長から編集の道へ。現在は保育園児の母とフリーランス編集者の2足のわらじを履く、なんちゃってワーキングマザー。スポーツ観戦が生活の一部で、贔屓チームの勝敗が体調に影響を及ぼす厄介な体質。ワールドカップの日本開催を機にラグビーも勉強中。
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