世界的に環境意識が高まる中、女性にとって欠かせない生理用品にもエコ・脱プラの波が押し寄せています。日本でもじわじわと知名度を挙げているのが「月経カップ」。この記事では、に2020年に入って初めて月経カップを使ってみた筆者のリアルな感想と、月経カップを使うコツを紹介します!
海外などで環境にやさしい生理用品として人気を伸ばしているのが「月経カップ」。慣れないものを初めて使うのは誰でも不安なこと。この記事では、月経カップを使ってみたいと思う人の不安を少しでも解消できるように、筆者が実際に月経カップを使って感じたことを紹介します。
月経カップとは
月経カップはシリコン製の生理用品です。タンポンやナプキンに代わる新しい生理の形として世界中で人気を呼んでいます。
膣内に挿入して使うのはタンポンと同じ。しかし大きく違うのは、タンポンが経血を吸収するのに対し、カップは経血を溜めて体の外に出さないようにするものであるということ。そのため何度も繰り返して使うことができます。
アメリカをはじめとした欧米では1980年代から市場に出回るようになりました。日本でも2017年より初の国産カップ「ローズカップ」が販売されています。環境に対する負荷が低いため、環境意識が高まる今日特に注目されるようになっています。
ローズカップ公式オンラインストア
https://www.rosecup.jp/
基本的な使い方
使う前
煮沸するか、専用の洗浄剤を使って消毒します。
挿入
上の写真のようにカップを折り畳み、ゆっくりと挿入します。コツはリラックスすること。ある程度入ったら手を放しましょう。カップの口が開き、膣の筋肉の働きで自然と正しい位置に収まります。
使用中
正しく使用できていたら、カップが入っていることを感じることはありません。カップの口が膣の内壁にぴったりと吸着するので、漏れも心配なし。
取り出し
膣内に指を入れて、タブをつかみます。つかめたら下腹部に力を入れてカップを押し出します。出産経験のある人は、赤ちゃんを産むときのいきむ感覚です。それと同時にタブを引っ張ってカップを取り出します。
使用後
経血を流し、カップをしっかり洗浄しましょう。空気穴も含め、すみずみまでしっかり洗うことが重要です。
出し入れは慣れが必要―まずは家で使ってみよう
私はこれまでに3回の生理で月経カップを使いました。しかし出し入れはまだ少し難しいなと感じます。
まず入れる際。そのまま挿入しようと思うと難しいので、専用の潤滑剤(ローション)を購入し、カップの外面に塗ってから入れるのがおすすめ。中できちんと開いているかどうかが気になったら、少し歩くなどして体を動かしてみましょう。大抵の場合正しい位置に収まります。
取り出す際はお風呂場で行うことをおすすめします。理論上は公共のトイレなどでも取り出せるのですが、慣れないうちは経血がこぼれてしまうことを想定して。また、下の写真のように、タブがわっか状になっていて指がひっかけられるものの方が、取り出しやすいので初心者にはおすすめです。
日本で買えるものでは、ドイツ製の月経カップ「メルーナ」などがこのようなわっか状の構造を採用しています。
メルーナジャパン公式ホームページ
https://www.melunajapan.com/
取り出せなくなるのが心配?
月経カップを使うにあたって一番不安なこと・・・それはカップが取り出せなくなってしまうことではないでしょうか?実は私も月経カップ使用になかなか踏み切れなかった理由がこれでした。
しかし、上の月経カップ使用のイメージを見ると、カップが奥深く体内に入ってしまうことは体の構造的に不可能であることが分かります。子宮の入り口である子宮頚は細くなっており、月経カップはそこでストップするようになっているのです。
ですから、取り出しに苦労しても焦らないで!「体の中で迷子になった」なんてことはないのです。
ナプキンやタンポンよりも本当にお得?
「これだけ面倒なのに月経カップを使う価値はあるの?」と思う人も多いのではないでしょうか。もちろん、個人の感覚によるものなので一概にはいえませんが、私は「月経カップを使い始めて良かった」と自信をもってお答えします!
まず、月経カップがナプキンよりも優れているのは付け心地です。月経カップは付けている感覚が全く感じられません。そのためムレや不快感がなく、またパンツに形が響くこともありません。これから暑くなり汗をかく時期には、特におすすめかもしれません。カップをつけている間ももちろん普通と同じようにトイレに行くことができます。私はタンポンの紐が濡れてしまうのが好きではなかったのですが、月経カップならそれもありません。さらにデリケートゾーンに経血がつくこともないので、衛生面でも◎。
月経カップは長時間使えるので、生理中の手間が省けるのもうれしい! 確かに、カップを洗ったり殺菌する必要はありますが、合計の手間はナプキンを取り替えたり生理用品を購入したりするのと大きく変わらないように感じます。
そして最後に、お財布と環境にやさしいことが一番の特長ではないでしょうか。マイナビウーマンが2016年に行った統計によると、女性が毎月生理用品にかける金額は約750円であると言われています。身体に優しいものを選ぶとなるとそれ以上かかってしまうことも。
対して月経カップは3,000~4,000円で何年も使えるので、結果的にはかなりお得です。そして廃棄するプラスチックの量も大幅に減らすことができるので、環境に配慮した生活を送るならぜひ月経カップを検討してみましょう。
参考
[“Help, I think it’s stuck!” Menstrual Cup Removal Tips|Pixiecup]
[女性の負担は大きい!? 一生のうち生理にかかる日数とコスト|マイナビニュース]
[Photos by Shutterstock.com]
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ベロワ ニーナ
Nina Belova/ライター/翻訳者
北海道生まれ、福井県育ちのロシア人。東京大学地域文化研究北アメリカコースを卒業後、アメリカに移住。現在はフリーランスのライター・翻訳者として活動し、執筆分野は金融・技術・旅行・歴史など多岐にわたる。アメリカの田舎で夫・猫とともに自由なヒッピー生活を満喫中。
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