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片桐仁香

POSTED BY 編集/ライター 片桐仁香 掲載日: APR 8TH, 2022.

ソラマメの旬は?おいしい茹で方やレシピバリエ、冷凍方法も【専門家監修】

春から初夏が旬のソラマメ。塩茹ではもちろん、天ぷらやパスタ、バターソテー、スープなど、いろいろな食べ方で愛されている野菜です。ソラマメは「おいしいのは収穫して3日間だけ」と言われるほど鮮度が命。塩茹でをおいしく仕上げるコツや、 フライパンでの蒸し焼き方法、トースターで焼く方法、食べきれない場合の保存方法などを紹介します。

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【特徴】旬は春〜初夏。さやが空に向かって伸びるので「空豆」

ソラマメは、マメ科ソラマメ属。原産地は、中央アジアや北アフリカなど諸説あります。紀元前5000年頃の新石器時代には栽培されていた痕跡があり、非常に古くから食されていたことがわかっています。

日本には、奈良時代の聖武天皇の頃、インドの僧が中国で入手した種子を持ち込んだとされています。さらに明治時代には、政府の方針により欧米系の品種が多数導入されました。

ソラマメは、ほのかな甘みと独特の香り、そしてやさしい歯ざわりが特徴。主な産地は鹿児島県や千葉県です。ハウス栽培でほぼ1年中出回りますが、旬は春〜初夏で、ピークは4~6月熟す前の薄緑色の豆は野菜として、完熟した豆は豆類として扱われます。

ソラマメは漢字で「空豆」。さやが上向きに、空の方向に伸びることに由来します。また、さやの形が蚕(かいこ)に似ていることや、蚕が繭(まゆ)を作る時期に旬を迎えることから「蚕豆」と書いてソラマメと読むことも。

地域によって別名もあり、収穫される時期から「四月豆」「五月豆」「夏豆」、粒が1寸(約3cm)になることから「一寸豆」とも呼ばれます。

ちなみに、完熟してから乾燥させた豆は、煮豆、和菓子のあん、甘納豆、味噌や醤油などに利用されます。中華料理に使われる豆板醤(トウバンジャン)もソラマメが原料。いかり豆(フライビーンズ)はソラマメを油で揚げた豆菓子です。

【選び方】ソラマメは鮮度が重要!さやをよく見て選ぼう

ソラマメは「おいしいのは収穫して3日間だけ」と言われるほど鮮度が落ちやすいので、鮮度が決め手になります。

まずはさやが鮮やかな緑色で、ハリとツヤのあるものを選びましょう。さやの表面に白いうぶ毛が生えているのも新鮮さの目安になります。

また、さやの外側からでも豆の形がはっきりわかり、粒が揃っているものが良品です。粒の大小のムラが大きいものは避けましょう。

さやから出した豆だけで売っていることもありますが、味が落ちたり、傷みやすかったりするので、さや付きでの購入がおすすめです。

【保存】冷蔵庫での長期保存はNG。すぐに食べられないときは冷凍を

ソラマメは鮮度が命。できるだけ買ったその日に食べましょう。また、豆はさやから出しておくと水分が飛んでかたくなり、味も落ちるので、調理の直前に取り出してください。

冷蔵保存する場合は、乾燥させないようにしましょう。さやのまま新聞紙かペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて口を閉じて冷蔵庫へ。保存の適温は0〜5℃と、野菜の中では低めなので、野菜室よりも冷蔵室が適しています。甘みが消えないうちに、2〜3日で食べ切るのがおすすめです。

塩茹でしたものは、冷ましてからラップに包んで冷蔵室へ。おいしくいただけるのは1〜2日が目安です。

すぐに食べられない場合は冷凍保存しましょう。かために塩茹でして、水分を拭き取り、冷凍用保存袋に入れて冷凍室へ。使うときは冷蔵室に半日ほどおいて解凍するか、電子レンジで解凍してください。そのまま皮をむいて食べられますが、裏ごししてスープなどにしても楽しめます。

【食べ方】基本の茹で時間は2分半〜3分。レシピバリエも楽しんで

ソラマメの定番の食べ方といえば「塩茹で」です。茹ですぎると味が落ちるので気をつけましょう。

基本の茹で方

さやから豆を取り出したら、鍋に湯を沸かし、やや多めの塩を溶かします(水500mLに対して大さじ1/2くらい)。豆を入れて2分半〜3分茹でたら、ザルに上げます。

さらにおいしく茹でるコツ

茹でる前に、豆のおしり側(黒い爪の反対側)に、包丁のアゴ(刃元)で長さ1〜2cmの浅い切り込みを入れておくと、塩味が全体にまわりやすく、皮もむきやすくなります。

その他の食べ方

鍋でなく、フライパンに少量の水と塩を入れ、3分ほど蒸し焼きにしてもOK。さやごとオーブントースターで7分ほど焼いて「焼きソラマメ」にするのも、手軽でおすすめです。

ソラマメは上記のようなシンプルな食べ方で十分おいしいのですが、レシピのバリエーションもいろいろあります。天ぷら、パスタ、含め煮、炒め物、混ぜごはん、バターソテー、裏ごししてポタージュなど、ぜひいろいろな食べ方で味わい尽くしてみてください。

【栄養・効果】たんぱく質や糖質、ビタミンB群が豊富で、疲労回復に◎

ソラマメの可食部100gあたりのエネルギーは102kcalです。

ソラマメは野菜に分類されますが、エネルギー源となる糖質やたんぱく質を豊富に含んでいるのが特徴的。また、糖質の代謝をサポートするビタミンB1、粘膜や細胞の保護に働くB2など、ビタミンB群も豊富です。

糖質、ビタミン、ミネラルをバランス良く含むうえに、ビタミンB群が豊富なので、代謝が良くなって疲労回復効果も期待できます。ちょっと疲れた日の食卓にソラマメを加えれば、やさしい甘みと豊富な栄養が心身を癒やしてくれそうですね。

監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。


栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。

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片桐仁香

Hitoka Katagiri/編集/ライター

CM制作会社を経て、2000年より編集プロダクション勤務。主に、ライフスタイル、料理、子育て、共働き、ダイバーシティなどのジャンルを担当。2人目の出産を機に2018年からフリー。元来の性格がスボラでナマケモノなので、時短ネタや便利ワザを探すのが好き。

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