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片桐仁香

POSTED BY 編集/ライター 片桐仁香 掲載日: DEC 28TH, 2019.

【レシピ用語】「ひと煮」って何?「炒める」と「焼く」はどう違う?

レシピに出てくる「ひと煮する」「煮詰める」などの言葉。料理に慣れている人には当たり前でも、ビギナーには具体的な作業がイメージできないことがありますよね。よくよく考えてみると「煮る」と「茹でる」、「炒める」と「焼く」の違いもイマイチわからなかったり…。ということで、食のプロ集団「食のスタジオ」に、「煮る」「炒める」について解説してもらいました!

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おいしい料理を作るためには、基本をきちんと守ることが大切。レシピの「煮る」「炒める」について、具体的に見ていきましょう。

いろいろな「煮る」

「煮る」とは、具材に火を通すとともに、だしや調味料の味を染み込ませることを言います。「茹でる」との違いは、ちゃんと味がつくかどうか。「茹でる」はまったく味がつかないか、湯に塩を入れて薄く塩味をつける程度です。

煮る・煮含める

一般的な和風の煮物は、調味料を加えたら弱めの中火で煮ます。「煮含める」とは、とくに味が入りにくい材料(豆や乾物など)を弱火でコトコト煮て、味を染み込ませることを言います。

煮含める
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ひと煮する

じっくりではなく、ほんの少しの時間煮ることです。1~2分が目安で、材料を温める程度の加熱でOK。

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煮立たせてアクを取る

「煮立たせる」とは沸騰させること。野菜や肉を煮ると、アク(薄茶色や白の泡)がブクブクと浮いてきます。アクには臭みやえぐみが含まれるので、アク取りやおたまで取り除きます。

落としぶたをして煮る

煮物に味を均―に早くつけるため、食材の上に直接ふたを置いて煮ること。落としぶたは鍋の大きさよりもひとまわり小さいものを使います。クッキングシートやアルミ箔でも代用可能。その場合、真ん中に穴を開けると浮きにくくなります。

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煮込む

材料に火を通したり、調味料やソースの味を含ませたりするために、弱火で煮ること。牛スジやモツなどのかたい食材も、長時間煮込むとやわらかくなります。

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煮詰める

汁が少なくなるまで煮ること。ドライカレーのように煮汁を残したくない料理では、煮ながら水分を飛ばしていきます。たれやソース作りでは、煮詰めることで濃度を調節します。

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煮からめる

豚肉のしょうが焼きや魚の照り焼きなど、表面に濃い味をつけるような料理で、調味料をからませながら煮詰めていくこと。鍋をゆすると、全体にからまりやすくなります。

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炒め煮にする

はじめに材料を炒めてから、水分や調味料を加えて煮込むこと。ひじき煮や筑前煮、カレーなど、まず炒めることで油のコクが加わり、風味よく仕上がります。

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揚げ煮にする

一度油で揚げたものを煮ること。魚や肉ではたんぱく質のうまみが封じ込められ、コクのある味に仕上がります。

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いろいろな「炒める」

「炒める」とは、加熱したフライパンなどに少量の油をひき、食材を素早く加熱すること。「焼く」では食材をそのまま置いて中まで火を通しますが、「炒める」は食材をかき混ぜながら加熱します。基本的には中火〜強火で、焦げないように注意しながら、短時間で仕上げましょう。 

しんなりするまで炒める

しんなりは、玉ねぎ、にんじんなどの炒め加減でよく使われる表現。水分が少し飛んで、少しやわらかくなった状態です。玉ねぎの場合は「しんなり」から、弱火でさらにくたっとするまで炒めると、香りや甘みが引き出されます。

炒め合わせる

材料を入れて、全体を大きく混ぜ合わせるように炒めること。炒めものは火の通りにくい食材から順に炒め合わせていき、均―に火を通しましょう。

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炒めて取り出し、戻し入れる

チャーハンなどを作るとき、卵のようにすぐにかたくなるものは、先に炒めて一旦取り出します。ほかの食材を炒めて火が通ったら、最後に戻し入れましょう。

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監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、コピーまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。

片桐仁香

Hitoka Katagiri/編集/ライター

CM制作会社を経て、2000年より編集プロダクション勤務。主に、ライフスタイル、料理、子育て、共働き、ダイバーシティなどのジャンルを担当。2人目の出産を機に2018年からフリー。元来の性格がスボラでナマケモノなので、時短ネタや便利ワザを探すのが好き。

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