三つ葉は、さわやかな香りとシャキシャキ食感、鮮やかな緑色が特徴。お吸い物や親子丼に添えられているとうれしいものですが、少量しか使わないまま残りが冷蔵庫でしなびてしまった経験はありませんか。三つ葉は栄養価も高いので、残してしまうのはもったいない! 無駄なく使うための冷蔵&冷凍保存法と、大量消費レシピを紹介します。
目次
【特徴】日本原産の野菜。出回っているのは葉も茎も緑色の「糸三つ葉」
三つ葉はセリ科ミツバ属の野菜。数少ない日本原産の野菜で、古くから全国各地の湿地などに自生していました。野菜として栽培するようになったのは、江戸時代からといわれています。
名前の由来は1本の茎に3枚ずつ葉が付くことから。さわやかな香りとシャキシャキとした食感が特徴です。
三つ葉は、葉も茎も緑色で香りの豊かな「糸三つ葉(青三つ葉)」、茎が白くて細くやわらかい「切り三つ葉」、茎が白くて太めで根付きのまま出荷される「根三つ葉」の3種に大別されます。
スーパーなどで最も目にするのが「糸三つ葉」。主に水耕栽培されていて、1年中流通されています。「切り三つ葉」はハウス栽培が中心で、お正月などで需要が高まる12〜2月が旬。関東地方を中心に出回っています。「根三つ葉」は畑などで日に当たらないように土を寄せて軟白栽培したもので、3〜4月が旬です。
【選び方】鮮度が命。緑が濃くハリとツヤがあり、香りの強いものを
三つ葉は鮮度が命です。葉は鮮やかな濃い緑色で葉先までイキイキとしているもの、葉も茎もハリとツヤがあってみずみずしいものが新鮮。加えて、香りが強いものが良品です。
切り三つ葉は切り口が変色していないもの、根三つ葉は根にハリがあるかどうかも確認しましょう。
【保存】購入日に使い切るのがベスト。風味は落ちるが冷凍保存も可能
三つ葉は日持ちしないので、できればその日のうちに使い切りたいところ。
使い切れなかった場合は、乾燥に弱いため湿らせたペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。2〜3日程度は保存できるでしょう。
それ以上保存したいときは、香りや食感は損なわれてしまいますが冷凍保存も可能。「生のまま冷凍する方法」と「茹でてから冷凍する方法」の2つがあります。
生のまま冷凍したいときは、三つ葉を洗って水気を拭き取り、使いやすい長さに切ります。これを冷凍用保存袋に入れて平らにして冷凍を。約3週間保存可能です。完全に凍ると袋の上から軽く揉むだけで三つ葉がパラパラになるので、使う量だけ取り出せて便利。汁物や天ぷら、卵焼きなどの加熱調理に凍ったまま使用しましょう。
茹でてから冷凍したいときは、塩少々を加えた湯でさっと茹で、すぐに氷水にさらします。水気を絞って食べやすい長さに切り、1回で使う量ごとにラップに包んで冷凍用保存袋へ。生のまま冷凍するより少し長めの1カ月程度保存可能です。使うときは自然解凍後に水気を絞って。おひたしや和え物にも使えます。
【食べ方】汁物などに添えるほか、天ぷら、卵焼き、おひたしなどに
三つ葉は香りや彩りを生かして、汁物や茶碗蒸しやお雑煮、丼ものや炊き込みご飯などに添えていただくことが多いでしょう。天ぷらや卵焼きの材料に加えても、存在感が引き立ちます。
糸三つ葉や切り三つ葉はやわらかな食感なので、汁物などに添えるのに向いています。根三つ葉は香りが強く食感もしっかりしているので、加熱調理に使うといいでしょう。
おひたしや和え物にするときは、さっと熱湯にくぐらせてから氷水にとって色止めを。加熱しすぎると香りが落ち、食感も損なわれてしまいます。
【大量消費レシピ】使い切れないときは、ツナ和えやチヂミがおすすめ
「汁物に添えるために買ったけど、残りの使いみちがない…」というときは、ツナ和えやチヂミで大量消費するのがおすすめ。他の材料でかさ増ししつつ、三つ葉の香りを生かした個性的な一品ができます。
三つ葉のツナ和え
三つ葉をさっと茹でて氷水にとってから水気を絞り、食べやすい長さにカット。ツナ缶と、しょうゆ+こしょう、マヨネーズ+しょうゆ+ゴマなど、好みの調味料で味付けします。もっとかさ増ししたいときは、大根や豆苗、ちくわなどを加えてみてください。
三つ葉のチヂミ
ボウルに卵1個、小麦粉と薄力粉を各大さじ2程度、水50cc程度を加えて混ぜ合わせ、刻んだ三つ葉を加えてさらに混ぜ合わせます。熱したフライパンにごま油をひき、生地を流し入れて両面がこんがりするまで焼いたらでき上がり。ニンジンやタマネギ、魚介類などを加えてもおいしいですよ。
【栄養・効果】香りには食欲増進やリラックス効果も
三つ葉の可食部100gあたりのエネルギーは、糸三つ葉は12kcal、切り三つ葉は16kcal、根三つ葉は19kcalです。
三つ葉のさわやかな香りにはクリプトテーネンやミツバエンという成分が含まれ、食欲増進や神経を安定させてリラックスさせる働きがあるとされています。特に香りが強いのは「根三つ葉」です。
また、抗酸化作用があり生活習慣病の予防が期待できるβカロテン、ナトリウムを排出して高血圧予防に役立つカリウムが豊富。ぜひおひたしなどにしてたくさん摂取してみてくださいね。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
[All Photos by shutterstock.com]
>>>ニンジンの大量消費レシピは?切り方や保存法も【専門家監修】
はな
hana/編集/ライター
コーヒーチェーン副店長から編集の道へ。現在は保育園児の母とフリーランス編集者の2足のわらじを履く、なんちゃってワーキングマザー。スポーツ観戦が生活の一部で、贔屓チームの勝敗が体調に影響を及ぼす厄介な体質。ワールドカップの日本開催を機にラグビーも勉強中。
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