寒い冬でも日々の家事は発生するもの。そんな時に辛いのが、乾燥による手指の「あかぎれ」や「ひび割れ」ですよね。あまりにも痛くて「洗いたくない」という人もいるほどだとか。この記事では、ニチバンが発表した、医師が伝授する「あかぎれ・ひび割れ」の原因や治し方を紹介します。
お話を聞いたのは……
箱崎どいクリニックの院長・土井悠人先生
あかぎれ・ひび割れの原因は?
ひび割れの主な原因は、肌の乾燥やバリア機能の低下!
箱崎どいクリニックの院長である土井悠人先生の話によると、ひび割れの主な原因は、肌の乾燥やバリア機能の低下なのだとか。
人間の皮膚は本来、一定の水分を保てる構造となっていますが、日本の冬のような乾燥する季節は、肌表面の水分が蒸発し角質層の乾燥が進行してしまうことがあるそう。乾燥で肌のバリア機能が失われると、外部からの刺激を受けやすくなり、ひび割れが起こりやすくなるのです。
そのほか、寒さによる血行不良で手足や足先に栄養が行き届かなくなることで肌の修復力が低下しやすくなったり、加齢によって皮脂量が低下することも皮膚の乾燥を起こす原因となってくるとか。乾燥以外にもさまざまな要素がひび割れの原因になるようです。
ひび割れが悪化するとあかぎれに!
痛いあかぎれは、ひび割れが悪化して起こります。皮膚表面が荒れてしまうだけでなく、ぽろぽろと角質が剥がれ落ちたり、手足の皮膚が突っ張るような感覚が生じることもあり、非常に痛い思いをすることも。
また炎症が起きると、水仕事などができないほどに痛むこともあり、家事が辛くなることも悩みの一つです。
あかぎれを予防するには?
では、あかぎれを予防するにはどうしたらいいのでしょうか? 土井悠人先生が4つの予防方法を教えてくれました。
1. 手足を冷やさないようにする
あかぎれにならないためには、手足を冷やさないようにすることが大事!
手や指をこまめに保湿し絆創膏などでガードしたり、手袋を着用することで、あかぎれの予防効果がさらに上がるそうですよ。
ほかの予防対策としては、ぬるま湯にオイルを数滴垂らし、手や足を5分~10分ほど浸けるのもおすすめだとか。あかぎれを防ぐには「手や足を冷やさない」と意識するようにしましょう。
2. 水ではなくぬるめのお湯を使う
手や指を冷やすとあかぎれになりやすくなるので、水仕事をする場合は水ではなくぬるめのお湯を使うようにしましょう。
ただし、熱いお湯は逆効果! 熱いお湯で手を洗ったり、お風呂・シャワーに入ったりすると皮脂が失われ、皮膚が乾燥してしまうため、むしろあかぎれをしやすくなってしまいます。注意してくださいね。
また、皮膚の皮脂を逃さないためにはゴム手袋も有効だとか。ゴム手袋は水仕事での洗剤や石鹸による皮脂の洗い流しを防いでくれるので、乾燥に弱い肌の人や毎日水仕事をする人にはおすすめです。
3. 部屋を乾燥させないようにする
あかぎれには空気の乾燥も大敵! 部屋の乾燥もあかぎれの原因になってしまいます。あかぎれが起こりやすい冬場は、加湿器を使うなどして部屋の湿度を高く保ち、乾燥を防ぐことも大事です。
4. 食生活を改善する
皮膚は4週間ごとに古いものから新しいものへと生まれ変わる「ターンオーバー」を行っています。健康的な皮膚にはビタミンCやビタミンE、ミネラルなどの栄養素が欠かせません。新しい皮膚組織を作るために、食事やサプリメントなどで栄養をしっかり摂取するようにするようにしましょう!
あかぎれを早く治す方法は?
あかぎれになってしまったらできるだけ早く治したいもの。治療方法も5つ教えていただきました!
1. 治癒促進タイプの絆創膏を使用する
あかぎれの保護には、絆創膏がとても有用なのだそう。とくに治癒促進タイプの絆創膏は、あかぎれを治すのに適した潤った環境を作り皮膚がきれいに再生するのを促してくれる上に、痛みも和らげてくれるのでおすすめです
指を動かしたり、曲げてもしっかりフィットさせたい人は不織布タイプ、水仕事が多い人は防水タイプなど、用途によって絆創膏を選ぶのもポイントですよ。
2. 患部を清潔にする
あかぎれやひび割れができたら、患部を清潔に保つことも重要。あかぎれは放っておくと、キズが広がったり雑菌が入ったりしてさらに症状が悪化してしまうので注意が必要です。
ただし、何度も手を洗うと乾燥が進み、症状を悪化させることになるので、洗いすぎは厳禁です。石鹸などの洗浄料はできるだけ低刺激性のものを使用し、優しく洗うようにしましょう。
3. 市販薬で保湿する
あかぎれができる主な原因は乾燥。保湿クリームなどで皮膚を乾燥させないよう守ることも大事になってきます。保湿をすることで皮膚が潤えば、ひび割れやあかぎれを抑えることができますよ。肌が乾燥しやすい人ほど保湿がおすすめです。
4. 手袋などでキズぐちを守る
あかぎれになった指先などは、炎症を起こして敏感な状態になっているため、ちょっとした刺激にも弱くなっています。そこで使いたいのが手袋。
あかぎれができたところに絆創膏を貼り、その上を覆うように手袋を着用すれば、あかぎれの手指を守るだけでなく、皮膚の乾燥も抑えることができます。あわせて保湿剤でケアしておけば、より皮膚の乾燥を防いで回復も早まってくれるので一石二鳥ですね!
5. 皮膚科を受診する
自分でケアしても症状が改善しない場合は、医療機関を受診するのもいいでしょう。ズキズキとした痛みが引かない場合や、赤く腫れている場合などは、早めに皮膚科に相談しましょう。
キズぐちから雑菌が入って腫れている場合には、外用薬だけでなく、抗生物質などの飲み薬も処方されることもあるそうですよ。
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西門香央里
Kaori Simon/フォトライター
東京在住のフォトライター。K-POP、旅行、グルメ、カルチャーなどを中心に撮って書いて活動中。好きなことには猪突猛進。小学生の頃からずっと何かの「オタク」。座右の銘は「努力は裏切らない」。
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